2014年3月13日木曜日

燕三条のモノづくりの特徴

ご支援やご協力いただいたみなさんのおかげで、クラウドファンディングの期間はあと3日ありますが、目標以上の金額のご支援をいただきました。本当にありがとうございました。

あと3日間、オフランで問い合わせいただいた話で、主にインスタント無煙炭焼き窯についての問い合わせですが、ご支援につながるように努力していきたいと思います。オンラインでのご支援やご協力も引き続きよろしくお願いします。

予想以上に、インスタント無煙炭焼き窯へのご支援を多くいただき、製造していただいている㈱オーテックの小畑様に、数を連絡して、細かい製造方法などの打ち合わせをしました。

すでに製造準備にとりかかっていただいているのですが、そのとき言われたのがなんとなく燕三条のモノづくりの特徴かと感じたのが、

「ヘラ屋ァ、電話にでね」

ということです。インスタント無煙炭焼き窯アタッチメントは、㈱オーテック様だけで作っていただいているわけではなく、ヘラ絞りという、平らな鉄板を回転させて器のような立体にする技術です。

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動画は、燕三条の会社ではありませんが、こんな感じの技術です。

ヘラ屋さんが電話に出ないというのは、ひとりでやっている工場なので、仕事がなくて暇すぎて家に帰ったかというようなことを言っていました。

最近わかってきた燕三条の製造業の特徴は、ひとつの会社がすべて最初から最後までつくるのではなく、分業化が進んでいて、しかも他業種にわたっているようで、自分の会社でできないことは他の会社にお願いしたり、知恵を寄せ集めたりとかできて、文字通り「作れないものはない」地域だそうです。工場を持っていなくても、個人でも何でも作れるそうです。

しかしこうやって多くの技術を集積した地域も、やはり後継者不足というか、仕事が少なくなってきているというか、存続の危機にあるようです。生き残る企業とかも多くあると思いますが、一部だけではなく、これだけ技術を集積させた地域全体がどうやって存続していくかという課題があるようです。

という話を私も仕事をさせていただいている薪ストーブを製造しているDANTEXを運営する㈱笛木溶接工業の松平社長からお聞きしました。松平社長はけっこう高齢ですが、地域の製造業の未来となるとかなり熱く語って聞かせていただいて、勉強になります。

和風でモダンな国産薪ストーブメーカーのDANTEX

http://www.dantex.jp/

会社でも個人でも、何かモノづくりをお考えの方は、ぜひ燕三条にご相談ください。1個からでもつくれますし、いろんな経験を持った人たちが知恵を出し合ってくれます。

自分でモノづくりに関わってみて、はじめて気づいた地元の一面でした。

2014年3月5日水曜日

中山間地域の空き家やその敷地の手入れのためにインスタント無煙炭焼き窯を活用

実演会の準備をするために、昨日は日の出とともに材料を入手するために竹やぶへ。

こちらの竹林は、三条市総合運動公園といって、三條機械スタジアム(もうすぐ名前が変わります)という野球場の敷地内の公園の中にあります。

森林公園みたいな場所へ行くための神社のまっすぐな長い階段みたいなのがあり、その両端にある竹林があまりにも密集していたのが気になっていたことと、アウトドアハードワークという新しいスポーツをはじめるにあたって、誰も来ない山奥でひとりでやるよりも、集まりやすい場所でやったほうがいいとおもって2年前から竹林に入らせてもらっています。

アウトドアハードワークとは、里山整備→炭焼き→炭焼きの熱で料理→調理後にできた炭で食べ物を育ててまた食べる新しい形のスポーツです。

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朝の竹林。このあたりは平らに近くて切りやすかったもので、かなり手を入れることができました。

竹林整備をする場合、「カラ傘さしてあるけるくらいの感覚をつくったほうが良い」というのが一般的で、それを目指してきました。

しかし、ある人が、「カラ傘どころではない、ナギナタ振り回しても大丈夫なくらいの竹やぶが健康で美しい」という話もでてきました。

テレビとかに出てくる美しい竹林はそんなくらい広いんだろうなと思いました。

去年はタケノコが全くでなかったので、今年は大量に出ることが予想されてまた竹林が混んでくると思うので、若い竹を多く残すように整備をすれば、かなりフレッシュな気分の竹林になりそうです。

ちなみに、タケノコが出るのは1年おきで、出ない年は新潟県内の離れた地域でも全然出てこなく、出るときはこれでもかというくらい出てきます。最近は異常気象とかも続くので、日照りが続いたりすると出なくなるという話もあります。

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通常、インスタント無煙炭焼き窯に材料を入れるときは、ドラム缶の中に入る長さに切った竹を丸竹のまま入れています。

割ったほうがたくさんはいりますが、割る手間と、数回焼くのを繰り返すことを比較した場合、火をつけている間は特に何もしなくていいので、できるだけ手間のかからないやり方でやっています。

しかし今回はいろいろと試してみたいことがあって、あえて細かく切ったものをこんな風に割りました。

竹を割るのは超気持ちいいです。ぜひ毎週末に行っているアウトドアハードワークにぜひご参加ください。予定はチャコールブラックスのウェブサイトに掲載しておきます。

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インスタント無煙炭焼き窯の実演会に来ていただいた方は、70代くらいの女性の方で、新潟の方ですが、富山の中山間地域に実家があり、今は誰も住んでいなく、竹林や雑木林、田んぼなどもあり、その手入れをするために月に1度行って草刈りをしたいり、竹やぶの整備をしたり、家の掃除を兄弟たちが集まって行うそうです。

やはり日本の里山とか自然は、最近は若い人たちもいろいろな素晴らしい取り組みを始めていますが、大部分はこのくらいの世代の「自分の屋敷(土地)はキチッとしとかないとならん」という真面目な、誰の目にもつかない地味な行動によるところが大きいと思います。

この家を継ぐ人もいないけど、中山間地域なので家も売れず、田んぼや山もついてくるのでけっこう負担になっているそうです。ご支援もいただき、切った竹がいっぱいあるので、それをインスタント無煙炭焼き窯でゆるく竹炭にして、家の床下に入れたり、新潟市の自宅の庭木の下に埋めたりしたいそうです。

新潟にもこういうところがけっこうあるはずなので、マッチングとか何かで少しでもなんとかしていけるような活動にも取り組みたいです。

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炭が完成。まだ火がついているので、白っぽい。

炭になると、大体、量としては元の材料の3分の1とか4分の1になります。備長炭のウバメガシなどは、重量比でなんと8分の1になるという縮みっぷりだそうです。

材料を細かくして横向きにドラム缶に入れた場合、やはり灰になる部分が少なく、炭化具合も安定しているように思います。

それは、ドラム缶の上部1/3くらいは、ガス化した煙が燃えている(そのため煙突からは煙が出てこない)ため、直火にさらされ、灰になりやすい。

しかし、こうやって横向きに入れた場合は、炭になると小さくなった分、下に沈んでいきやすいので、煙の燃焼部分から早く遠ざかることになり、灰になる部分が少ない。そしていろんな方向に材料が組み合わされているので、熱の伝わり方も満遍なく伝わる。

縦に材料を入れた場合は、縦にはなかなか沈んでいかないから燃焼部分に材料が残りつづけ、その部分は灰になりやすい。

まあ、でもこんなやって割るのは大変なので、お勧めはやはり丸竹のまま縦に詰めることかな。

もっといろいろと実験しまくってより簡単で効率のいい使い方を提案できるようになり、モノ自体も改良に改良を重ねていきたいです。

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2014年3月4日火曜日

【クラウドファンディング】昨日の実演会でもご支援いただけ、家に帰ったらなんとご支援が一気に73%に!

(このエントリーは、3月3日(月)に書いてエントリーできずじまいだったので、時間の表現が多少ずれています)

昨日までクラウドファンディング「燕三条の町工場技術が、世界を救うプロジェクト」の達成率は60%でした。

夕方家に帰って、またメールを開いてみると、クラウドファンディングのzenmonoさんから、

「支援されました」

というメールがたくさん入っている!プロジェクトページを開いてみると、達成率が73%になっている!

何が起こったんだ!?

と思って、Facebookを開いてみると、クラウドファンディングを始めるきっかけをつくってくれた湯川鶴章さんが紹介していただいていました。

ご支援くださった皆様、湯川さん、本当にありがとうございます!

 

きっかけは、湯川さんが書いたKindle本、ITの次に見える未来という本を読みました。かなり社会的にもテクノロジー的にも変化の激しい時代なので、未来はどういう風になるんだろうかというのが気になっていて、湯川さんのようなテクノロジーに詳しい人の考える未来とはどういうものだろうかと興味がありました。

内容は私が紹介しても意味わからなくなるので、ぜひ読んでみてください。アマゾンプライム会員なら0円です。

湯川さんからいただいたキーワードは「地域xテクノロジーx海外」。

それまで取り組んでいたこともそういう感じだったのですが、言葉として表現されたことでいよいよ明確になって、より燕三条の町工場技術に焦点を当てれるようになりました。

さて、昨日の報告です。

昨日の日曜日はインスタント無煙炭焼き窯の実演会でした。

2年前から毎週日曜日は基本毎日、「アウトドア・ハードワーク」というスポーツだと称して、竹林の整備→炭焼き→作った炭を畑や田んぼに使う、という活動を行っております。

冬の間はお休みしているのですが、今年は雪が少ないなんてものではなく、もう山にもほとんどないので、数週間前から始めていましたが、まだ予定を公開して呼びかけていないので、ひとりハードワークです。

こんなスポーツを始めたのは、チャコールブラックスという団体名から想像がつく方もいると思いますが、少年の頃からのヒーローのラグビーのニュージーランド代表のオールブラックスの影響を強く受けております。

アメリカでラグビーをしていたときに、週末に練習や試合などでみんなで集まって、ラグビーを楽しみ、試合後は敵味方なく、さらに試合会場の公園の近所のひとまで一緒にバーベキューをしてビールを飲むという体験がすごく良かった経験があるので、そういうことをしたいなという気持ちから始めました。

まだとってもそこまで行っていませんが、山仕事や農作業を気軽で身近なものにできたらと思います。

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昨日のひとりハードワークは、実演会で使う竹の準備。

そしてインスタント無煙炭焼き窯や薪ストーブに火をつけたりするために杉の葉が油がたくさんはいっていてえらいよく燃えるので、杉林で杉葉を集めてくるのに精を出しました。

杉葉は着火に便利な一方、たくさん落ちているところで火をつかうとアッという間に燃えて山火事につながったりするので、気をつけなければなりません。

 

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昨日の実演会には、2人の方から来ていただきました。

ひとりは、長岡の方で、果樹園をやっていて、河川敷の木が長くなりまくり風で倒れそうで切ったのを炭にして果樹園や畑にまいて、土づくりをしたいという方からオフラインクラウドファンディングのご支援いただきました。

もうひとりは、入広瀬から来ていただいた方でした。

話を聞いていると、趣味で炭を焼きたいということで、生の木をつかった本格的なものを作りたいとのことでした。本格的な炭はこのインスタント無煙炭焼き窯ではできないし、ドラム缶に土をかぶせたような窯でも満足できないと思うので、土窯を作ることをお勧めしました。

近所に昔から炭焼きを仕事にしていたじいちゃんが住んでいるということで、その生きた知恵を活用することをお勧めしました。クラウドファンディングの支援にはつながりませんでしたが、炭を焼く人が増えるのはうれしいことです。窯ができたら見に行きたいです。

土窯の作り方は、本に載っていたりしますが、なかなか細かい工夫などは地域や炭焼きの人によって違うため、そういうのを継承できるのは昔炭を焼いてきた方々がまだご健在の今しかないと思っています。

私も土窯を作ったり修理をしたりするのをお手伝いしたことはありますが、ゼロから自分でつくったことがないので、80歳を超えた師匠から今年のうちに受け継いでおきたいと思います。

炭ができるまでの間に、雑木林を持っている方から、近くの里山を案内していただきました。子供の頃は、薪広いに歩いて連れてこられて、重い荷物を担いで帰ったので「なんぎかったれや」と言っていました。かなり広い土地のようで、お借りすることができたので、三条では竹林でしか活動していませんでしたが、雑木林がお借りできたことで活動の幅がひろがりそうです。

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2014年3月1日土曜日

佐渡バンブークラブでのインスタント無煙炭焼き窯の実演やDIYでのTLUDストーブ作り(パート3)

あまりに楽しかった佐渡でのイベント。

写真を多めに載せて、楽しさが伝わればと思います。

楽しさを伝えて、里山的なアウトドアの楽しみ方をご提案できればと思います。

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カルロスさんが、ドラム缶を2個用意してくれていたので、持ち込んだインスタント無煙炭焼き窯のほかに、ゴミ捨て場から拾ってきた材料でDIYしてみました。

(ゴミ捨て場は前回の報告で書いたように、カルロスの知り合いの金属ゴミ置き場で許可を得ていて、決してかっぱらってきたわけではありません)

インスタント無煙炭焼き窯は、自作した場合の欠点を改善したもので、DIYが難しい方用に販売しております。

自作インスタント無煙炭焼き窯の作成方法は、こちらで公開しております。

http://charcoalblacks.org/archives/category/%E7%82%AD%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%82%8B/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E5%BC%8F%E7%84%A1%E7%85%99%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E7%82%AD%E7%AA%AF

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そしてこの方は何をしているかというと、竹を割ったときに虫の幼虫みたいのがよく入っているのですが、その虫をインスタント無煙炭焼き窯の熱で焼いています。

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そして、食った…

写真を撮るために食ってるフリをしているのではなく、食ってました。佐渡バンブークラブのメンバーはみんな食ってました。クリームシチューだかクリームコロッケの味がする、みたいなことを言っていました。私は食えませんでした。

昔はこういうのも貴重なタンパク源だったんでしょうね。今年もいきなりの異常気象で、今後世界の食料事情や地域の食料事情もどうなるのかわからないので、野草を含めて、こういう身近にある栄養源にする知恵を持っていたほうがいいかもしれません。まじめな話。

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今度はオイル缶サイズのTLUDストーブ。

インスタント無煙炭焼き窯の原型はTLUDストーブで、元々は煙までもエネルギー源にして、煙を燃やしているので煙が出ずに健康を害することもなく、さらに調理後は炭もできて土壌改良や屋内での熱源に使える調理コンロです。日本でいうぬか釜やぬかくどみたいなものです。

これの作り方もチャコールブラックスのウェブサイトで公開していますので、興味のある方は自分で作ってみてください。

【オイル缶の自作TLUDストーブの作り方】

http://charcoalblacks.org/archives/1712

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そして、その上にオイル缶からつくった五徳を乗せて、なべややかんを乗せられるようにしました。

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沸かしたお湯でお茶が飲めるように、コップを作っていただいています。

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私が作ると、ただ竹を切っただけのコップにしかしませんが、佐渡バンブークラブの方々は、さらにひと手間かけて、内側を面取りして口あたりを良くしていただきました。

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こんな風にやかんを載せておくと、

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けっこうすぐにお湯が沸いて、勢い良く湯気が噴出してきます。

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さらにこの人は何を作っているかというと…

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丁寧な作業だ…。私の切って、ぶったたくだけの竹細工とは違う…

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なんと、竹のトング!ナベつかんだり、炭をつかんだり、食べ物つかんだりです。

こういうものも作れるんだと、素直に驚きました。

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そして気がつくと、サドラムという竹で作ったドラムや楽器などを演奏するグループをかねている人たちは、竹林で演奏を始めていました。

どんだけ竹で楽しんでいるんですか

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近くにギンナンの木があって、ぎんなんをインスタント無煙炭焼き窯の上で焼き始めました。

まだまだ続きます。

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