2013年7月29日月曜日

山の生活。

去年、中山間地域で仕事をしていて、高齢化や過疎化という様々な問題は一般に言われているようにあったし、超豪雪地帯だったので、開いた口がふさがらないくらいに雪が降ってきた。

しかし、そんな中でも豊かだなと感じることがたくさんあって、いったいなんだったんだろうなとまとめてみようかと思います。

1.みんな畑とか田んぼをやっていて食べ物はほぼ完全自給自足
仕事の前の早朝や仕事後の暗くなるまで、みんな畑や田んぼに行くので忙しい。山の人は、そういうことを「稼ぐねぇ」という。別に金を稼いでいるわけではないけど。足腰立たないような年寄りとかも、4輪の電動車椅子とかに乗って、「坂から転げ落ちるのではないか。。。」というような坂を上り下りして畑仕事に精を出して、これがまたやりがいになる。田んぼも小さな棚田とかなので、機械も小さいやつだったり、町内でシェアしているので、機械代もそれほどかかっていないのでは?

2.いろんな職業の人がいる
地域の中の人間関係はいろいろとあるけど、平場の町に比べると町内の連帯感があって、様々な職業や能力を組み合わせれば大体なんでもできる。

3.いくつもの仕事を持っている。
畑や田んぼは主に自給自足用だけど、町内で直売所とかもやっていて小遣い稼ぎができる。野菜なんか買ったほうが安いとか言うけど。また、鯉をやっている人もいて、今は昔ほど儲からないらしいけど、小遣い稼ぎにもなり、楽しそう。

4.金を使わない
金を使っていないかどうかわからないけど、基本的な住まいや食べ物などは自給できるので金をあまり使わなそうで、普通に町の会社で仕事をしている人が多いが、自給しているので金使わず、余暇も畑したり田んぼしたりして「稼いで」いるので、レジャーに金使わない。常に生産活動。そのため、町の人たちより預金残高とかはかなり多いのではと想像している。

5.生命力がある
多くの人が山の整備とか畑、田んぼに関わっているので、自然の中で生きる力がハンパない。


気づくたびにFacebookとかに書いたような気がするので、また見返してみて、山の人たちの生活を見習おうと思います。

また、今後の新しい時代のライフスタイルのヒントは、山にあると思います。

炭ブリケットの試作

先日、カトウ鉄工の加藤さんにつくっていただいた、炭ブリケット作りの型を使って、ブリケットを試作してみました。すごく立派な型を作っていただきましたが、フィリピンで作る場合はスチールパイプなどを組み合わせて作ることになると思います。

ちなみにこの型は、MITのD-labの資料を参考に作りました。簡単な炭焼きの方法から、ブリケットつくりまで書いてあるすばらしい資料です。

http://d-lab.mit.edu/resources

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もちろんココナッツの殻など新潟にはないので、先日のイベント「竹音~Take on Take~ 循環だね!竹のエネルギー。私を竹の世界へ連れてって」のときに、料理をしながらつくった竹炭。

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この竹炭はそのままバーベキューに使えるくらい硬いのですが、ココナッツ殻から作った場合を想定して、まずは砕くところから。

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生ゴミコンポストに使っていた不織布の袋の中に入れ、丸太でブッ叩くブッ叩く。

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本当はこれくらいの細かさじゃあダメで、ふるいにかけて細かくしていかなければならないのでしょうが、これを通して仕事作りを想定しているフィリピンの貧困層のひとたちも、ふるいまでかけていたらとても効率の悪い仕事になってしまうんじゃないかと思い、あえてふるいにかけずにやってみた。

ココナッツの殻の炭も結構固いので、細かくするのは簡単ではなさそう。

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砕いた竹炭に、家で作ったおかゆ0.25合分を混ぜ合わせる。

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そして、また竹の棒で、ブッ叩く、ブッ叩く、かき回す、ブッ叩く!

途中、水分が足りないと思って水を少しずつ足していったら、足しすぎて、そのおかげで少しゆるくなってしまった。

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これを型の中に入れる。

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そしてプレスする上型を入れて、ハンマーでピンの上部からブッ叩く、ブッ叩く!

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そうすると、こんな風に黒い水分あがってきて、叩くたびに自分の顔や服に飛び散る。

また洗濯物が真っ黒になってしまうと思った。

フィリピンで、家の周りでこういうことをやった場合、やはり道路とか、着ている服が真っ黒になることを想定しなければならないと思いました。雨季とかだと、道路が真っ黒になっても夕方になるとスコールで洗い流されるが、乾季だと黒くなってしまう可能性がある。

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D-labの資料だと、このプレス機で、1分間に10数個のブリケットを製造することができると書いてありましたが、慣れていないからか、この10数個のブリケットをつくるのに10分くらいかかったような気がします。

 

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少し乾かすと、だいぶ硬くなってきます。

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2日後、かなり硬くなってきているようで完全に乾いたと思ったので、クラッシュテストをしてみることに。

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フィリピンで日本へココナッツ炭ブリケットを輸出している会社の人が、日本に出すには品質を上げるのが大変。ハンマーでブッ叩いたり、2階から落としてちょっとでも欠けたらダメといっていましたが、これはハンマーで叩いたら100%崩れる。

そこで、園芸用のスコップを勢いよく振り下ろしたら、中は全然乾いていなく、簡単に崩れてしまいました。

もう少し乾かしてからまたクラッシュテスト、そして燃焼テストをしてみます。

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こういうブリケット作りに関しては、近くに手作りで竹炭練炭をつくっている師匠がいるので、いろいろ教えてもらいながら進めて、日本のおじいちゃんの知恵とか、田舎の知恵などで、フィリピンの貧困を改善する役にたてるようにしていきたいです。

竹炭を焼いている渋川さんの「やすらぎ工房」の竹炭練炭

http://yasuragi-koubou.jp/prod13.htm

三条市のいろいろな有機農家の田んぼの見学

昨日は三条市有機農業連絡協議会で、会員それぞれの田んぼの見学会でした。みんないろんな工夫をしてて勉強になりました。

交流会が、会員のひとりの中華料理屋さんで大好きな中華料理を食べながらビールを飲みましたが、そこでいろいろな人とゆっくり話ができ、やはり本業有機農家の人たちは、この先の農業とか考えていることがおもしろいと思いました。

たとえば、今はコシヒカリとかブランドになっている品種だと思われているが、育て方によってはブランドになっていない品種でもおいしくつくることができる。しかも有機の生産を証明するためにJASだかなんかの認証を取らなければならない。これもお金がかかり、結局お客さんが払う米代に影響してくる。

お客さんは美味しい米を、できれば安く食べたいだけなのに、「ブランド」とか「認証」という、それがあることで安心できて満足度も高まるということもある。

どこかで聞いたけど、「本当においしいものは勉強した者でないとわからない」というのがあって、私たちくらいの庶民だと牛丼食ったくらいでおいしいと感じて、和食とかフランス料理とかのえらい手の込んだ料理を食べてみても、ハッキリ言って何がおいしいんだかわからない。料理を知るものは、それがどのくらい美味しいのかわかる。

芸術も、私のような芸術にあまり興味のない人間は美術館で有名な人の絵を見ても「ふーん」で終わってしまうが、絵のわかる人にはなんかわかるらしい。

そういう意味では、ご飯の味は、新潟のコシヒカリと、旅行とかでどこか別のところで食べる米だと、炊きたてでも食べた瞬間に「うまっ!」とか「まずっ!」とかわかってしまうが、「うまっ!」の中でどれだけうまいのかまでは比較とかしてみないとよくわからず、わからないけど「魚沼のコシヒカリです」「しかも有機栽培の認証とってます」とか言われると、一気に「うまい」のメーター振り切って「10点満点中10点のうまさ」という感情になってしまうのもまた事実。

しかし、「コシヒカリです」とか「JAS認証うけてます」とか言わなくても、その農家自体がおいしいと思う米を美味しいと思う作り方で一生懸命作っているのがわかり、それで信頼関係がつくれれば、コシヒカリかどうかとか、JAS認証とっているかどうかというのは、問題ではなくなり、さらに不要なコストを削減するので安くおいしいご飯が食えたほうがいいのでは...?という話。

本当に土とか米とかと向き合って作っている農家にしかできないことで、それができなければ「コシヒカリ」とか「認証」とかに頼るしかない。

そういう視点もってなかったので目からうろこが落ちた感じでした。

あと、美味しい米だと思う瞬間は、自分が肉体労働して開墾して草とりとかして作った米だと、「俺が開墾した農地から作った米だぞ~!」と思ったり、食うときにだいたいどれだけ苦労したかとか楽しかったかとかを人に語るので、その場にいる人全員がうまいように感じたというのがある。

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2013年7月23日火曜日

早送り再生してよく見ていない「里山資本主義」という番組が本になったけど読んでいない。

NHKのウェブサイトで「里山資本主義」というタイトルの動画を見て、もともとパソコンの前に張り付いて動画を見れるほどじっとできないタチだということと、どこかで見たこと聞いたおとのある「事例」を集めただけの番組のように感じたので、早送りに早送りを重ねてじっくり見ていない。

本が出版されたことも知ったが、動画がイマイチ(よく見てないけど)に感じたので、タイトルはすごく興味深いけど、読む必要ナシと判断し、呼んでいなかった。

里山資本主義
里山のチカラ
~21世紀の人と自然とライフスタイル~
http://www.nhk.or.jp/eco-channel/jp/satoyama/interview/motani01.html

里山資本主義  日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21) 里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)
藻谷 浩介 NHK広島取材班

角川書店 2013-07-10
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しかし、小飼弾さんのブログでの書評を見て、もしかしたらおれは動画で大事なものを見ていなかったのか、「事例」中心だった(と思う)動画とは違い、原理原則のようなものが書いてあるのかと感じ、読んでみたいと思った。

「ありのまま」の資本主義を - 書評 - 里山資本主義(小飼弾さんのブログ)
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51878969.html

 

小飼弾さんは、現在我々が「資本主義」だと思っていることは何かというと、「一番しっくりするのは、換金主義だろう。どんな資本も、利用する前にまずカネにする。カネにしてから、欲しいものをそれで手に入れる。」と言っている。

お金の発明により、人類は発展することができたのだが、その裏にはお金の罪もある。

その罪は、

「カネにするまでもなく手に入るはずの効用までカネに換えたくなってしまう強烈なインセンティブ。あまりに強烈で、「換えたくなる」はもはや「換えなくてはいけない」の領域に達している。」

なんか引用が多く、人の考えなので自分の言葉で説明できなくなってきたので、詳しくは小飼弾さんのブログを読んでください。


面白い表現あったのは、「利子で食え」という表現。

木を切りすぎることによって文明が崩壊してきたようだけど、木を切りすぎずに里山が再生する範囲で食えば、元本を減らさずに利子だけで生活できる。

畑や田んぼなどの土壌もまた同じ表現ができるのではないか?

急に全部の農業が有機になるのは現実的ではないが、今は化学肥料とか農薬でカネをたくさん使って、土壌を酷使しながら作物を育てている。

それが土壌が再生できる範囲の農業、もしくは農法などをやることで、化学肥料とかにカネをかけずとも利子で生活できるのではないか。

「金にするまでもないことは金にしない」というが、小飼さんは、

「別に自給自足を目指せということではないのだ。全売全買というもう片方の極論を避けようというだけのことである。そのためには、自分たちに何があって、何がないのかをきちんと知る必要がある。そして自分のことというのは、自分だけではよくわからない。自分が外に出るか、他者に教えてもらう必要がどうしても出てくる。」

例えば、東京まで新幹線で行くと往復で2万円くらいかかる。

これをライドシェアとかで人の車に乗せてもらった場合、タダから高くて5000円ぐらいだろう。

ライドシェアだと知らない人と話するの苦手だし、息がつまるわぁと思ってしまい、金を払って新幹線にのることを選んでしまう

しかし新幹線に乗るための2万円を稼ぐのに、1日~2日ほど我慢して仕事をしなければならない。

たかが数時間我慢するほうがよほど効率がよく、逆に我慢するどころか話が弾んで素晴らしい出会いになるかもしれない。

新幹線に乗っても隣の座席に体の大きなおっさんが座るとそれだけで息がつまるし。

お金を通すことが効率的なように見えて、実は計算してみるとそうでもないことがたくさんあるはず。

【イベント報告】竹音~Take on Take~ 循環だね!竹のエネルギー。私を竹の世界へ連れてって

米米米チャレンジ隊で企画したイベント「竹音~Take on Take~ 循環だね!竹のエネルギー。私を竹の世界へ連れてって」を7月21日(日)に行いました。

佐渡の竹太鼓集団SADRUMのカルロスさんをはじめとするメンバーを講師に、竹の楽器作りや演奏を行い、竹や竹炭を燃料にした料理を食べ、竹も食べ(自作メンマ)、竹の食器や箸やコップを使って食事をするというものです。

梅雨のなかなか明けない新潟で、この土日だけは晴れてくれました。

全部で33名の参加。遠くは上越や新潟からも来ていただきました。ブラジルの格闘技「カポエイラ」をやっている方々が多かったようです。

カポエイラのことは良く知りませんが、佐渡にいったときにカルロスが講師をしているのを見て、ドラムを叩きながら、バクテンとかしながらキックしたりする日本の格闘技からみたらかなり異色の格闘技です。

SADRUMのメンバーは前日に新潟駅でライブがあったようで、朝から来ていただきました。

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主催者のあいさつや安全面の確認などから始まり、SADRUMのメンバーの自己紹介。

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そしてトリムの森の竹やぶへ。

カルロスは竹について語らせるとかなり熱いので、この日も参加者の皆さんに竹のおもしろさや、自然をまもる大切さなどについて語っていました。

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その後、1年以上この竹やぶに入っていますが、私でもまだ入ったことのない未開の竹やぶを登り始め、平らなところだけで作業するつもりだったので、「おっ、おっ、大丈夫か...?」と不安に思いましたが、子供もやはりそんな弱くはないというか、森の幼稚園をやっている方が言っていましたが、危険な場所では危険を自分で察知できて、逆に何の障害もないような場所だと油断して怪我をするようなことを言っていました。

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カルロスさんの竹についての熱いトーク。

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人数が多いので、4班に分かれて作業を予定していた竹林に入る。

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子供たちの竹林整備。倒れていて危ない竹を引っ張り出して、並べておいておく。

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多くの人が、始めての竹切りだったと思います。お父さんも大活躍です。

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枝の部分や細い部分を使って、太鼓を叩くための「バチ」をつくります。

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こんな風に竹をヒモでぶら下げたやつも楽器になります。

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この後、それぞれのヘコヘコとかアゴゴとかいう名前の楽器を作って演奏していましたが、私はお昼の準備があったので写真をとっていませんでした。

後日、報告します。

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お昼前に早く戻ってきた方から、竹のお皿やコップ作りをしていただきました。

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そして熱いので、切ってきた竹と麻ひもとブルーシートを使ってテント張り。

最近のアウトドアのテントは簡単になってきていて、私も昔持っていたような気がしますが、こうやってほぼタダで身近にある材料から作るというのもカッコいいと思いました。

ちなみに、今回のイベントでも、竹や竹炭を燃料に食事をつくり、写真をとるのを忘れていましたが、上の写真にぎりぎり右上に写っているように、インスタント式無煙バイオ炭窯や、オイル缶TLUDストーブでの炭焼きの過程の熱を料理につかったり、炭も、こういった炭焼き窯で作った竹炭を使いました。

インスタント式無煙バイオ炭窯やTLUDストーブについてはこちら。自分で自作することもできます。煙が出ずに、火を閉じ込めているので大勢の人がピクニックを楽しむこんな公園の芝生でも使うことができます。

インスタント式無煙バイオ炭窯/TLUDストーブ
http://charcoalblacks.org/archives/1102

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竹のカップに、ベジ・チリビーンズを注ぐ。チリパウダーを振りすぎて辛くなってしまいました。

作り方は、にんにくとたまねぎを炒めて、ピーマンもいため、トマト缶を投入し、同量くらいの水を入れてクミン、オレガノ、塩、コショウ、チリパウダーなどで味付け。

写真の右上では、カルロスや参加者の人が一生懸命竹でハシを作ってくれています。

もちかえった方もいますし、置いていったものは後日炭にすることができるので、まさにゴミゼロでした。食品の包装とかでゴミも少し出ましたが。

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この日はおにぎり持参できていただいて、おかずは準備しました。

左は麩とメンマの煮物。このメンマも竹のこが竹になりそうなくらいでかくなったのを春に折ってきて、煮て、乾燥させてとえらい手間がかかっているようです。

竹の子は地面にあるくらい小さくないとおいしくない、食えないというのが常識ですが、人間の背よりも高くなったやつをゆるゆる揺らして、ポキッと折れたところからも食えるそうです。

まあ私は竹の子も食えないのでどちらでも味がよくわかりませんが。メンマは好きです。

そして、カルロスたちが昨日のライブで土産にもらってきたこんにゃく、あとそのとなりがわからないけど、竹炭入り蒸しパンも。参加者からコロッケの差し入れもいただきました。

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メシ食ったあとは、カルロスたちが演奏しはじめて、参加者の方々の何人かも一緒にうたっていたのは、カポエイラの音楽か。

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平場は暑いので、午後からも涼しい竹やぶに入り、全員での演奏準備。

SADRUMのメンバーは竹を竹にぶらさげ、参加者のみなさんは作りかけの自分の楽器を完成させるための作業。

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いよいよ最後の演奏準備。

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カルロスがうまくリードして、簡単なリズムを打つところから、各パートに分かれて叩く。

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最後はリズムでコミュニケーションをとるような感じで、音もあってきてちゃんとしたリズムになっていました。芝生広場まで音が届いていたようです。

怪我や熱中症などもかなり心配していましたが、みんな元気で解散することができて楽しい日曜日でした。