2010年12月21日火曜日

越後炭焼きの会の大先輩たち

土曜日と昨日、今日と、越後炭焼きの会の大先輩方から教えを受けてきました。

オノで割れない太い丸太を薪にするのに、どうやって割っていいかわからず、「カケヤ」なるものを使うと聞いたことがあったので、藤田師匠に聞いてみた。

掛矢という、まあ、木製のハンマーと、クサビを1~2本使って、木をぶち破っていくらしい。

貸していただけるということだったので、借りに行った。そして、これから三条に向かうと言ったら、

「オレも行こうかな...」

という話になり、三条だと炭焼きの会の渋川さんがいるので、

「オメサンにちぃとぉ、用がアンダンガァ、行ってもいいろか?」

と、すぐに電話。

奥さんに

「ちいとぉ、遊び行ってくっろぉ」

と言い残して出て行く動きの早さは憧れる。




藤田さんは、今年、ずっと探していた炭ストーブを骨董品屋で見つけてきて、自宅の居間に設置。

火鉢で炭をおこしているだけだと、炭火の温かみしかないけど、こんな感じに、分厚い鉄に覆われて、煙突もあると、複写熱というんだか、じんわりと熱が伝わってくる。

ペレットストーブとか薪ストーブはよく見るけど、炭ストーブはあんまり見たことがない。藤田さんが炭を使っているとかっこよく見える。


渋川さんのところへ行って少し話しをしていると、オイル缶や空き缶などで作ったTLUDストーブの話を、炭焼きの会の中沢さんから聞いていて、食いついてきた。

「月曜日にまた三条に来るので、そのときに持ってきます」

と約束をした。

藤田さんは、薪割りも手伝ってくれて、掛矢とクサビの使い方も見せてくれた。

あまりの見事さに、写真を取るのを忘れたけど、とっておけばよかった。動画で。

オノ(藤田さんは、「マサカリ」と読んでいた。ヨキとも呼ばれるらしい。俺はオノと呼ぶ)が目にも見えない速さで、しかも狙い通りに当てて正確。

このままでは一瞬で藤田さんが全ての薪を割ってしまうんじゃないかと思い、練習も兼ねて交代した。


そして、昨日。

約束どおり、渋川さんのところへ、空き缶のTLUDストーブを持っていって実演。

寺泊から、炭焼きの会の佐藤さんまで飛んできた。


まさか、こんなに食いついてくるとは思わなかった...

と思うくらいの好奇心でいろいろ聞いて、見て、しかもやってみた。

下の写真は、構造をホワイトボードにメモをしているところ。


渋川さんのことだから、すぐにアッというくらい高性能のものを開発してしまうに違いない。

今年は、越後炭焼きの会は、竹パウダーを始める人が多かったけど、来年はこれやろうねぇかと言っていて、開発メンバーが増えて、知恵と技術を出し合えるのは頼もしいことだ。

「社会を変える」お金の使い方を読みました。

「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付
駒崎弘樹

英治出版 2010-12-17
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昨日アマゾンから届いたNPOフローレンス代表理事の駒崎弘樹さんの「『社会を変える』お金の使い方--投票としての寄付 投資としての寄付」を今日読ませていただきました。

副題である「投票としての寄付 投資としての寄付」が、読む前はいまいちピンとこなかったのですが、読んで納得しました。

どういう意味かというのは、今の自分の解釈で説明するのを控えたいので本を手にとって読んで欲しいですが、しっかりとした活動をしていくことで、自分の口からも語れることができるようになりたいと思います。

寄付についての本を読むのは2冊目。最初に読んだのは、コチラ。

ファンドレイジングが社会を変える
ファンドレイジングが社会を変える鵜尾 雅隆

三一書房 2009-04-02
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両方ともとても為になる本でした。共通しているところは、寄付というのは、施しではなく社会を変える手段。

寄付を通して事業を行うことによって、目的を実現させていくのはもちろんのこと、寄付を集めるという行為によって、いろいろな人に問題の存在を知ってもらい、解決策を訴えること。

非営利団体の行う事業というのは、もしかしたら、手放せない薬のようなものかもしれない。

薬がなくなったら、また元通り問題が存在する現実が残るような。

それを、寄付を始めとするファンドレイジング(資金調達)を、「社会を変える手段」と認識して活動することによって、多くの人が知り、よく言われているように、1人の100歩より、100人の1歩みたいなことになって、はじめて問題が根本から解決し、非営利団体が事業を行う必要がなくなるのかも。と思った。

これもよく言われることだけど、非営利団体のミッションは、「自分たちの存在がいらなくなること」。そう考えると、ファンドレイジングは、事業を継続するためだけではなく、最重要な活動なんだろうなと思った。

読んでいるときに、ドラッカーの「非営利組織の経営」という本からの引用があったので、気になって図書館に借りにいった。

残念ながら貸し出し中だったけど、代わりに同じ系統の本を見つけた。「社会貢献で、メシを食う ~だから、僕らはプロフェッショナルをめざす~」という本。

3冊読んでみて感じたのは、時代は変わりかけていて、あんまり気づいていなかったこと。

僕が知っている時代というのは、NPOは仲良しサークルの延長のようなものだった時代。事業を行って収益を上げているところはわずかで、事業型NPOを目指す議論も僕のイメージ的なものかもしれないけど、

「寄付に頼るなんてダメだ。事業で収益をあげていかなければ」

と、事業がうまくいけば、寄付には頼らないような意見だったような気がする。この意見も、今考えると、なんだか寄付を施しをお願いするような行為だという前提があるよう。


でも、3冊を読んでみて学んだのは、寄付を含めた全てのファンドレイジング活動の組み合わせで、目標を実現していくこと。

もともと、非営利団体が行う事業は、誰も手を出さないような問題の解決を目指しているので、事業の対象者(商売で言うところのお客)は、お金をあまり持っていない人だったり、環境だったりと、事業に対して、直接的に対価をいただくのが難しい場合がほとんどなので、事業収入だけで継続していくのはもともとかなりハードルが高い。

そこは寄付でまかなわなければいけないし、寄付を集めるにしてもマーケティング活動をしなければならないので、「社会貢献という商品を売る」ようなもんだと、3冊のどれかに書いてあった。


チャコールブラックスの活動は、僕自身が昔のままのNPOのイメージを持っていたので、「寄付をもらうようなボランティア団体 VS 事業で収益を上げていく組織」みたいな、二者択一的な考えにとらわれていた。

「炭を焼いて売ることで、活動資金を作り、海や開発途上国で炭を使った問題解決の事業を行う」

と当初は考えていた。

でも、そもそも、炭焼きを含めた日本の林業事体が商売にならなく衰退していったことで、荒れてしまったことを何とかするための事業なので、最初からバンバン収益を上げて、海や開発途上国で活動する資金を作ることは難しい。

日本の山の問題が解決してから、海や開発途上国に...というのでは、一体いつになってしまうんだろう...


ということを考え、「ファンドレイジングが社会を変える」を読んでいたこともあって、方向転換していましたが、今日、この2冊を読んでその方針で正しかったと思いました。

この3冊の本とドラッカーの本とかで勉強しながら、自分の石頭をカチ割って成長していきたいと思います。

2010年12月16日木曜日

ぬか釜とTLUDストーブ

一昨日の夜に、中越防災安全推進機構の方々に連れて行ってもらって、栃尾の主に中越地震の被害の大きかった中山間地で活動している方々が集まる「かりやだ交流会」に参加させてもらいました。

こういう中山間地の人たちが集まるところは、始めてだったので、興味深い話がたくさん聞けました。


中でもとても興味深かったのが、昨日も書きましたが、山古志や栃尾、魚沼などに昔から伝わる「ぬか釜」というものでの炊飯です。

ぬか釜というけど、籾殻を熱源として炊くご飯で、炊飯後はバイオ炭ができている!

これが、開発途上国などで、エネルギー源の薪の伐採による森林破壊や、煙による病気、痩せ地であるために収穫量が少ないことや、高額な薪の購入費のための出費などが一因となっている貧困。追い討ちをかけるような気候変動。

これらをまとめて改善していけるツールのひとつがTLUDストーブで、煙を出さない、ココナッツの殻や籾殻、雑草や小枝、おが屑などがエネルギー源となり、最後にはバイオ炭までできてるので、エネルギー代も安く、収穫量もアップするので、貧困改善や温暖化防止にも役立つものとして普及が進んでいる。

これの原型がすでに日本の、山村文化の中にあったのが超おどろき。

山村の伝統技術が、世界を救う。

ぬか釜というのは、現物をまだ見たことがありませんが、こんな感じらしいです。
http://www.minamiuonuma-green.jp/nukagama.htm

出会えるのが楽しみ。

印刷したのは

日本バイオ炭普及会の小川会長のレポート。

http://www.cirac.jp/research/documents/bio.pdf

さすがにすごくよくまとめられている。

NPOさんじょうの事務所の竹炭による環境改善の効果

一昨日、使用済みカイロや、鉄と炭を使った鉄炭団子での海の植林のチラシの印刷をお願いしに、NPOさんじょうへ行きました。

こちらの団体には以前

「狭い部屋で電気機器にかこまれているせいか、壁の塗料からの有害物質かなんだかわからないけど、事務所にいるだけで具合が悪くなる」

ということで、竹炭を10kg入れていただいていました。


2ヶ月ぶりくらいに訪問したのですが、想像をかなり上回るような感想を聞くことができました。


「健康グッズの『お客様の声』のように、書いてもいい!」

といわれるほどでした。


上の写真がその悪環境だった事務所。

12畳くらいの部屋にたくさんの電子機器が並び、壁も1年ちょっと前にペンキを塗ったばかり。


どういう話かというと、ここで勤務している小林さんと、坂井さんの2人は、隣り合わせた机で仕事をしていたのだけど、どういうわけか、2人とも目の周りが痙攣する。


変だと思われると思って、お互い言い出せなかったようですが、坂井さんに至っては、目の痙攣が首にきて、肩や首が張っていたといいます。

それが、竹炭を入れてからしばらくすると、そういう症状がなくなっていることに気がついたといいます。

「痙攣のストレスから開放されたことが一番楽になった。頭が痛かったし、本当にウツになるかと思っていた」

と話してくれました。


また、ペンキの塗料系の匂いがなくなったこともあり、

部屋の温度も、去年は11月から暖房を入れていて、暖房の温度を上げていても、足元がとても冷たく、足元にも暖房を置いていたそうです。

また、夜暖房を切って、翌朝出勤すると、寒かったのが、今年は去年27度に設定していた暖房を、23度にしているのに、足元も暖かく、朝出勤しても、余熱が残っているように暖かいと言っていました。


これは全て竹炭のおかげだ!竹炭はスゴイ!

と、自慢しまくりたいところですが、他にもいろいろな現象が重なってのことだと思います。


炭は隅。


本当に炭のおかげかわからないような、さりげなさが炭のまた面白さでもあると思う。


下は、事務所に炭を入れにいったときの写真です。あらゆる隙間に炭を置きました。




バイオ炭メモ

MITのD-Labのウェブサイトにバイオ炭のいろんな情報が載っている。面白い!

http://d-lab.mit.edu/resources

2010年12月15日水曜日

ぬか釜=TLUDストーブ

昨日、山古志で「ぬか釜」という、籾殻を燃料にして炊くご飯の焚き方があることを知った。

高熱で一気に炊き上げるから超おいしいということと、炊いた後にはバイオ炭ができている!

これは開発途上国で貧困や森林破壊を防ぐために普及しつつあるTLUDストーブと同じではないか!

地球を救うための技術が、日本の古くからの伝統にあったとは驚き。

これは何としてでも現代に復活させたい。まずは、食べさせてくれるところから探そう。

2010年12月13日月曜日

低炭素杯への応募

こんにちは。

昨日は多くの時間を書類作成に使いました。

チャコールブラックスの活動を「低炭素杯」という、いろいろな団体が温暖化防止に関する地域活動を報告し、学び合い、連携の環を広めていくという場への応募をする予定です。

書類審査に通ると、2月の全国大会で環境大臣賞に向けたプレゼンをする機会があるようです。

今年はコツコツと炭を焼いただけで、まだ大きな取り組みになっていないので、こういうものに応募する気分としては風車に立ち向かうドン・キホーテのような滑稽感があります。

それでも応募するのは、炭が日本の山を守るだけでなく、温暖化を含め、貧困や森林破壊、食料危機などを改善していく方法のひとつである認識が全くといってない現状に少しでも道を切り開いていくために、できることは何でもしたいと思って書類を作成しました。

ちなみに、チャコールブラックスが今年、炭焼きによって削減したCO2量は下のように計算できます。

1700kg×{CO2(分子量44)/C(分子量12)}×85%≒5,298kg

どういう理屈でそうなるのかは、続きを読んでみてください。


【小学生の活動にチャコールブラックスは負けた...】

北米やヨーロッパ、オーストラリア、そして中国でも、バイオ炭を使った温暖化防止を含む様々な問題の解決は注目されていて、活動をする人や団体、動くお金も多い。

(バイオ炭とは、農業廃棄物や材木として使えない木を炭にしたものです。)

学校での取り組みも多く、昨日オレゴンのDoom Schoolという小学校のプレゼン資料を見ていたら、チャコールブラックスを上回る活動をしていることがわかり、衝撃を受けました。

海外の環境活動家の多くがバイオ炭に関しての発言をしているからだということもあるでしょう。

主要メディアでも、環境や農業に特化したニュースでも、バイオ炭の記事を目にしない日はありません。

一方、日本では、検索しても出てくるのは、多くが自分のブログばかり...。しかもアメリカの小学生に負けている...。


【バイオ炭はバスケに例えると4点分の働き(by スラムダンク)】

炭によるCO2削減は、省エネとかに比べると直感的に理解できるものではなく、わかりにくいものです。

ゴミを減らしたり、電気や車の使用を抑えたりすることでCO2削減ができるのは直感的に理解できます。

車や工場、焼却炉から出る煙は、明らかに環境に悪そうです。

炭によるCO2削減は、見えにくいところからです。

人為的なCO2排出量の最も多くを占めているのが農業です。

ガイア理論の提唱者で生物物理学者のジェイムズ・ラブロックさんによると、人為的なCO2排出が30ギガトンであるのに対し、地球の生物圏からは、毎年550ギガトンのCO2が放出されているといいます。

夏の間に植物が吸収した炭素の99%は、バクテリアやセンチュウ、昆虫などによって、1年くらいのうちに大気中に放出されてしまうからです。

バイオ炭を作ることは、このように見えないところで放出されている農業や林業の廃棄物によるCO2を、炭素のかたまりにして固定すること。

炭焼きは、木を燃やしているし、煙も出ているので、逆に環境に悪いイメージになりかねません。

実際には、燃やしているのではなく、「熱分解」という技術で、有機物の炭素以外を蒸発させているのです。

炭素をほとんど燃やしていないので、CO2はほとんど放出されず、煙は木酢液やバイオ燃料となり、さらに高熱を発するので、使うとCO2削減になる「カーボン・ネガティブ」なエネルギーとして注目されています。

これはたとえていうと、漫画の「スラムダンク」で、主人公の桜木が味方のリバウンドを取ることで、相手の得点チャンスを失わせ、味方が点を取れる「いわば、4点分の働きということだ」と安西先生に教えられるシーンに似ています。


【貧困の改善、森林破壊を防ぐことにもなる】

固体化された炭素は、土壌に入れることで、痩せ地では収穫量が平均して約2倍になるため、やせ地であることが貧困の一因になっている国では、貧困を改善する希望のひとつとなっています。

気候変動にも耐えられる農業ができる希望もあるので、すでにオーストラリアなどでは農業が温暖化で大ダメージを受けているので、余計一生懸命なのかもしれません。

世界では、いまだ、30億人の人が薪をエネルギー源としていて、そのために収入の半分近くをエネルギー代にするなど貧困に拍車をかけ、違法に伐採されている場合が多いので、森林破壊にもつながっています。

これをバイオ炭を使うことで、枯れ草や農業廃棄物などを熱エネルギーにし、副産物のバイオ炭まで作れるようになります。

荒野に植林をするときに、バイオ炭を入れることで水の使用を減らした上、安定して成長するので、「Black is the New Green(黒は新しい緑だ)」とも言われています。

もともと土壌が豊かな日本でも、化学肥料の量を減らすことができるし、農業だけでなく、建築など生活の中に使う文化もある。


【眠れる巨人、日本】

バイオ炭が日本で温暖化をはじめとするいろいろな問題を解決する手段として考えられていないのは、炭が昔からある当たり前の文化となっていて、それと近代的な問題と結びつけられなかったからかもしれません。

炭を使う文化がバーベキュー以外あまりなかった外国では、2003年頃に研究が発表されたのですが、この発見に「これで世界は良くなる」と興奮し、多くの人を巻き込んだ活動になり、そのエネルギーが国を超えた動きになっている。

非営利団体だけでなく、たとえば、モルディブ共和国は、英国の技術企業CarbonGoldとココナッツの殻などからバイオ炭を製造することで提携することを今年発表しました。

海面上昇により、国土が消滅する危険にさらされているモルディブは、バイオ炭の製造でCO2を削減し、農業用肥料としてバイオ炭を利用する計画です。

自然が豊かな日本では、農業廃棄物まで炭にしなくても、里山や竹林、家の庭などにももったいないものがたくさん転がっています。

まずは、これらを整備して、炭にしていくところから始められます。

世界一の炭の技術力を持ち、数百年数千年にもわたる炭の文化を持ってきた眠れる巨人である日本が目覚め、温暖化や貧困、森林破壊などの地球規模の問題解決に貢献できるようにと、「低炭素杯」の書類を送ります。

バイオ炭の海外事情や、温暖化や貧困などの関係は、チャコールブラックスのウェブサイトに情報がありますので、読んでみてください。

http://www.charcoalblacks.jp/

2010年12月12日日曜日

アメリカの小学校でのバイオ炭活動に驚く

空き缶によるTLUDストーブを作るときに参考にさせてもらった、オレゴンのDoom Schoolという小学校。

わずか25人の自然に対する意識が高い学校のようで、今年のアメリカ国内での全国会議でプレゼンをしたときの資料を見つけた。

読ませてもらったけど、小学生相手に完璧に負けている...。

そもそもTLUDストーブの構造事体をここの小学校に参考にさせてもらっているから最初から勝負にならないわけだけど、こっちはプロの炭焼き。これが日本とアメリカのバイオ炭事情の差なのか...。とショックは大きい。

ここの学校では、炭を焼くだけではなく、自分たちの排泄物などと混ぜて肥料にしてなんかの苗をつくって、売っているし、育てた植物の根の張り具合や、生長の仕方も測定するなど、まだ手を出せないでいることまでやっている...

おまけにバイオ炭のラップ調の歌まで。

その後に続いた高校生たちの活動のプレゼン資料などは、もっと本格的だ。


スライドを見ていて思ったのが、全部を自分たちでやらなくとも、学校などと協力関係を作ることができれば、授業や課外活動の一環として、いろいろな場でバイオ炭の研究などをやって、共有しあっていくなんてこともできるかもしれないと思いました。





こちらは、高校生たちのプレゼン。日本でも生徒たちがこうやってプレゼンするところまでバイオ炭の認知度を広めていきたいものだ。



2010年12月3日金曜日

気候変動による食料問題。

今日、プラン・ジャパンから送られたメールマガジンのテーマが、

「おなかいっぱい食べたい!~ニカラグアの食糧確保プロジェクト~」

でした。

http://www.plan-japan.org/topics/world/101202nica/index.html

気候変動や異常気象のため、食糧難に陥っていたニカラグアをプランが継続的に支援しているという内容でした。


それとは別に、今日読んだニュースで、気候変動の農業への影響により、2050年までに最悪で2倍。少なくても30%くらいは上がるという記事がありました。

「UN Climate Conference: Global Warming Could Double Food Prices 」

http://www.huffingtonpost.com/2010/12/02/un-climate-conference-glo_n_790899.html?ref=tw


日本でも今年の猛暑で米を含め、いろいろな野菜が不作で価格アップしましたが、そんな比ではないことが世界で起きているようです。

LEDなどの工場野菜が食料危機に対して注目されているようですが、個人的に人工的な光で育てた作物は、まだ公表されてないけど農薬や化学肥料より危険なんじゃないかと感じ、あまり食べたくないし、エネルギーに関しても、そのやり方で持続できるのかは疑問を感じています。

だからバイオ炭です!

みたいな調子のいいことはいいたくありませんが、実際に地球上で最も農業に向いていないアマゾンですら豊かな収穫をもたらしているし、今年の夏も全く肥料をやっていないのに1反から10俵もとれたことから、可能性はあります。

海外の痩せ地で取り組むところは、アフリカばかりを考えていましたが、プラン・ジャパンの記事を見て、南米もありかと思いました。

カイロ団子で藻場再生水産高が全国発表きょう(読売新聞)

今日は「海の植林」プロジェクトの協力依頼の案内を作ったり、メールマガジンを書いたり、団体名義の口座を開設しに行きました。

するとタイムリーなことに、ツイッターでフォローさせていただいているEcoBrandの東大史さんが、

「温暖化対策に、あなたが今すぐできること」

というタイトルの記事を書いていました。

その記事がカイロを使った鉄炭団子の記事でした。

温暖化対策に、あなたが今すぐできること
http://am6.jp/eSWIwf

記事の中では、読売新聞の記事が紹介されていて、下記の記事になるのですが、今日、カイロで作った鉄炭団子の藻場再生について、全国発表をするそうです。

これから始めようとしている我々には、高校生だけど先輩なので頼もしく感じます。

カイロ団子で藻場再生水産高が全国発表きょう

県立水産高(長門市)水産科学部の3人が、3日に東京海洋大(東京)で開かれる「全国水産・海洋系高校生徒研究発表会」に出場する。発表するのは、地域ぐるみで取り組んだ藻場再生の研究だ。

 3人は、海洋科学科3年の光木慎太郎さん(17)、海洋技術科3年の森本由香里さん(18)と伊藤祐希さん(18)。水産科学部が5年前から取り組んでいる藻場が減少する「磯焼け現象」を鉄分の補給で改善させる研究成果の普及に努めた。さらに、漁協などと連携して、この成果を小中学校の環境教育にも取り入れた。

 鉄分補給に使うのは、カイロの鉄と炭にご飯を混ぜ合わせた「鉄炭(てったん)団子」。3人は市や市内の企業、小中学校などに使用済みカイロの回収を要請して4小中学校で団子を製作し、漁業者やボランティアの支援で漁場に置いた。

 市役所での激励会で、3人は「地域と連携してきた研究を全国にしっかりと伝えたい」と決意を述べた。
(2010年12月3日 読売新聞)

2010年11月27日土曜日

粟島報告:アブラコをワッパ煮に再び

昨日、一昨日と、ずっと興味を持っていて全然行けていなかった粟島についに行ってきました。

観光目的ではなく、粟島の海の磯やけや、地球温暖化などの問題を改善していくためのプロジェクトのための顔会わせでした。

磯やけの原因のひとつとして、山から流れ出る鉄をはじめとするミネラル分が、山が荒れていたり、河川改修などで海まで届かなくなったため、人間が鉄分がなければ生きていけないのと同様、海の植物や生物もほとんどいなくなってしまったことがあります。

そこで、鉄と炭をあわせて、鉄と炭素の電位差で、鉄がイオン化して植物プランクトンが吸収できる大きさに流れ出てるため、植物プランクトンが劇的に増え、そこに海藻が生えてきて、魚も戻ってくる。山や河川を自然に戻すという時間のかかることをやりつつ、失われた海の生命を蘇らせるために、大量の鉄と炭を海に散布するという計画です。

今まで、いろいろな漁業組合へこのプロジェクトの話を持ちかけてきたのですが、突然海のものとも山のものともつかない案を提案されたことで急にOKを出していただくことはできなかったのですが、回らせていただいたところから紹介に紹介を重ねて、粟島の漁業組合がこの問題に鉄と炭で真剣に取り組んでいるという話を聞き、連絡をして、一ヶ月以上した後にようやく訪問が実現しました。

チャコールブラックスとしては、鉄と炭を混ぜた団子である鉄炭団子の提供や、その散布時期にあわせた粟島ツアー、原料となる使用済みカイロの回収などで協力できそうで、そのほかにも島と本土をつなぐようなかかわりができたらと思っています。

このプロジェクトは粟島だけでなく、海の二酸化炭素の吸収量は陸地の数倍と言われているので、植物がいなくなった砂漠化した海の植物を育てる「海の植林」として、温暖化対策でもあり、多くの海が磯やけで苦しんでいるので、それを復活させていくためのモデルのひとつとなると思っています。

粟島では今は4人の中心メンバーがいて活動していますが、その4人からはじめた活動が全国や世界に広がっていくかもしれないなと思います。

前置きはこのくらいにして、写真を紹介しながら、海の磯やけの現状やプロジェクトの内容についても触れていきたいと思います。


新潟には珍しい絶好の粟島日和。


フェリーもなかなか大きかった。収容人数は500人弱のよう。


船の先頭にはいけなかったので、タイタニックの「I'm flying!」はできなかった。


さらば本州よ。


監視塔みたいなのか、こんなに高いやつに登る勇気はない。

船乗りはこういう訓練も必要なんだろうか。日露戦争のときの東郷さんとかは、こういう上に立っていたのだろうか。


島が見えてきた!結構でかい!と興奮。



本当に想像していたより大きい。パンフレットを見ると250m前後の山が二つもある。


話は突然変わりますが、漁業組合の参事の渡辺さんと、観光協会の神蔵さんに海の現状などを案内して説明してもらいました。

僕は山も始めたばかりで素人ですが、海については釣りもほとんどやったことがないし、ダイビング経験もないから全くわからない。

渡辺参事の説明によると、磯やけはこういうところから見てもかなり危機的状態にあることがわかるという。

昔はこういうところから眺めても藻場が見えたらしい。


すごく見えにくいというより、写真レベルでは確認不可能ですが、写真の真ん中の左端あたりにブツブツしたのが浮かんでいて、それが藻場。昔はこういうのが全面的にあったらしいけど、いまでは写真にも写らないほどの小さな点でしかない。

23年ほど前を境に、藻場が目に見えて減少していき、アワビなどの収穫量も3000~4000万個あったのが、今では300万個くらいだという。

「20年前の海はどこへ行った...」

と渡辺参事。


鉄炭団子の開発者である無有産(むうぶ)研究所の杉本幹生さんを講師として島に招いて勉強会を開催したときに、まず一緒に島を1周してくれた。

そこで杉本さんが行ったことは、

「砂浜が白いでしょう?昔は黒っぽくありませんでした?」

と言った。

そういえば、昔は黒っぽくて、砂鉄もいっぱいとれた記憶があった。

この黒っぽい鉄で、島全体が岩地のために昔からもともと山全体が貧弱で今も変わっていないため、山が荒れているからミネラルが海に流れなくなったとは考えにくい。

原因は砂防ダムではないかと考えられる。

砂防ダムが砂と一緒に鉄分が川や海へ流れ出るのを止めている。


こちらが鉄炭のプロジェクトの作業をしている場所を案内してくれている神蔵さん。

うしろに見えるのは、やしがら袋。

この中に使用済みカイロの中身を入れて海に設置するのも案のひとつ。


これは、ペットボトルにカイロの中身(主に鉄と炭)とクエン酸と水を入れたもの。

一晩くらいでカイロの中身はとけて、植物プランクトンが吸収できるレベルになり、これを川から海へ流す。


左は鉄炭だんごを作るために鉄と炭とおかゆを混ぜてこねたもの。左は冬の間に回収した使用済みカイロ。

粟島の中だけでカイロを回収しても人口が多いわけではないので、量は制限されてくる。

回収に本州から呼びかけることができると考えています。


粟島には竹炭プラントがあり、これがその炭窯。もとは瓦焼きの窯だったらしい。


これは神蔵さんが機械屋と作った竹酢液の蒸留装置。かなり本格的でオレも欲しい。


温泉のトイレにも消臭用に竹炭が置かれていました。


宿泊した民宿は、西側の釜谷の市左ェ門さん。

市左エ門さんのブログ。

http://blog.goo.ne.jp/itizaemon-oncha/


西側は釣りスポットとしていいようで、釣り客が多いらしい。

作家の椎名誠も直木賞を取るまで、毎年この近くのキャンプ場に仲間とキャンプに来ていたらしい。本でも読んだことがある。「あやしい探検隊」シリーズ。



今度は朝食。朝食ももちろん魚がメイン。朝には珍しくご飯を3杯も食べた。


食後は軽トラを借りて、島を一周してみた。

上の写真が、磯やけの原因のひとつとなっていると思われる砂防ダム。全国でかなりの量をつくったようで、この近くでもいくつも見た。



昨日の晴天とは世界がまるで違うような感じ。


これが山の上にあったバイオマストイレ。おがくずなどのバイオマスで分解される。使用後はかき混ぜるために、後ろの自転車を前後トータルで30回転ほどこぐ。


下の写真が、到着時から返るときまでお世話になったお菓子屋の勝っちゃん。

千代華というドラ焼きを半分にしたようなお菓子を作っていて、あずきは全て粟島産。

昨日は今日明日の池袋でのアイランダー2010というイベントに出品するためにたくさん作っていて、腹をすかせて通りかかったおれたちにも分けてくれた。

アイランダー2010
http://www.i-lander.com/


昼飯は民宿のおかみさんにお願いしてワッパ煮を作ってもらった。

ワッパという木の桶みたいな入れ物に魚と野菜が入っていて、そこに熱した石を投入して加熱する。

タイトルの「アブラコをワッパ煮に再び」というのは、昔はアブラコという、ワッパ煮に使う魚がたくさんとれたのだが、今ではあまりとれなくなってしまったから、スローガンとして考えているという。

しかし、記憶が定かではないので、「アブラコの海を再び」だったかもしれない。


数えたら、2日間で10匹も魚を食べた。帰ってからもおみやげにもらった魚を食べたので、11匹ちょい!新記録。



このように、島内のいたるところで使用済みカイロの回収箱が置かれている。


さらば粟島。次はツアーで人をたくさん連れて来ます。


というわけで、4月か5月の間に、何回かボランティアで作った鉄炭団子を粟島へ持っていって、周辺の海に散布するツアーを行います。釣りや魚や離れ島やおもしろそうなことが好きな参加者を募集します。

そこに至るまでに、鉄炭団子を学校や幼稚園の授業などで作らせてもらったり、炭焼き小屋に遊びにきてもらって団子も作ってもらうなどいろいろな作戦が必要なため、多くの人のご協力が必要になると思います。ご協力よろしくお願いします。

2010年11月18日木曜日

CNNニュース:「バイオ炭は地球を救えるか?」




http://edition.cnn.com/2009/TECH/science/03/30/biochar.warming.energy/index.html#cnnSTCVideo

ジョージア大学のキャンパスの農業用私道の線路を越えたところに、エネルギーや食料生産、そして地球規模の気候変動の解決策のひとつになり得る機械が置いてある。

「この機械は我々の子供のようなものです」と、UGAリサーチエンジニアのBrian Bibensは語る。Bibensは、炭素リサイクルの新しい方法の研究をしている研究者の一人。

Bibenの専門はバイオ炭。バイオ炭は、有機廃棄物から作った多穴質の炭。材料は、森林や農業の廃棄物、動物の排泄物などから作られる。木材チップ、とうもろこしの皮、ピーナッツの殻、鶏糞などである。

Bibensはそれらの有機廃棄物(バイオマス)を500度以上もの温度にも加熱する金属の八角形の容器に入れ、「熱分解」と呼ばれる方法で加熱する。

数時間のうちに、農業で肥料として使うことができる炭のペレットになる。熱分解の過程で出てきたガスは、バイオガスとして、車や発電機の燃料として使うことができる。

多くの科学者たちは、バイオ炭のことを、「黒い金」と呼ぶ。

高い炭素の合有量や、多孔質の構造は、土壌が水分や栄養分を維持するのを助け、微生物を増殖させ、炭素を自然に土壌に固定することにもなるので、CO2の削減にもなる。その結果、作物の収穫量を増やすことができる。

バイオ炭は2つの方法で大気を浄化する。ひとつは、有機廃棄物が自然分解される過程で大気に放出されるCO2を出さないようにすること。もうひとつは、光合成の過程で植物内にためたCO2も固体化しておくことである。

「土壌が巨大な炭素のプールになるのです。この炭素のプールを増やすことで、大気中のCO2を大きく減らすことができるのです。」と、バイオ炭研究の先駆者のひとりであるChristoph Steteinerは語る。「それは、カーボンネガティブのエネルギーを作る機会にもなり得るのです」。

世界的な規模でバイオ炭を使用することで、大気中のCO2を50年以内に8ppm削減できると、NASAの科学者であるジェイムズ・ハンセンは語る。

NOAAによると、地球規模の炭素濃度は1980年以降、警戒レベルにまで上昇している。1980年代には、年間1.5ppmの上昇だったところ、2000年以降、1年間で2ppmが当たり前になっている。

バイオ炭の製造プロセスは、価値のある他の製品の製造にもつながる。

製造過程で発生するガス(煙の中に含まれる)は、電気やガソリンに変換することができる。さらにいくつかの医療関係の製品も副産物として製造することができると、EpridaのCEOのダニー・ディ社長は語る。EpridaはジョージアのAthensにある会社で、バイオ炭やその製造過程の副産物の応用を模索している。

科学者はバイオ炭をよりよい未来のために使うことを考えているが、その起源は過去にある。

南アメリカのアマゾン流域に住む原住民たちは、何世紀もの間、動物の糞や木を炭化したものを「テラ・プレタ」を作るためにつかっていた。テラ・プレタとは、ポルトガル語で「黒い土」という意味である。

数千年後の今、テラ・プレタの土壌は何の肥料も加えていないにも関わらず、肥沃なまま残っている。

専門家はこう語る

「テラ・プレタの土壌は500年以上前に作られているが、現在でも黒く、炭素の合有量が非常に高い」

と、ジョージア大学のシュタイナー教授は語る。

より広い耕作地を作るために、森林を破壊することを防ぐことにもつながる。

テラ・プレタの土壌は数千年間も豊かな土壌のままでいられたというバイオ炭を使うことで、の農業使用のために今以上の森林破壊を防ぐこともできる。しかし、地球規模でバイオ炭を展開する前に、より大きな規模でテストをしていく必要がある。

ダニー・ディは、今まで捨てられていたバイオマスはバイオ燃料や電気、バイオマス抽出物、医療品など、バイオ炭だけでなく、という完全に新しい市場へ発展させることができると語る。

気候変動のリスクにさらされている30億人の人々が気候変動を解決することで、お金を稼げるようにできると、ディは語る。

産業界は世界中の農家たちに目を向け始め、農業廃棄物に対してお金を支払うようになり、農家たちは新しい富裕層になっていくだろうと、ディは語る。

GEがバイオ燃料へ投資。副産物としてバイオ炭。

GEが農業廃棄物や木材チップなどからバイオ燃料を作る会社の立ち上げ資金として、約6億4千万円の投資を決めたそうです。バイオ燃料を作る過程でバイオ炭ができてくるので、一石二鳥なわけです。

世界的な流れは炭焼きだけでなく、炭焼きの過程の煙をバイオ燃料にしていくやり方なんだなとわかりました。

バイオ炭の日本語の情報がネット上でも非常に少ないため、1日1本、海外のバイオ炭情報の記事を和訳して、調べて検索している人に少しでも知ってもらえるようにしようと思い、翻訳していますが、なかなか難しい…

聞いたことがない言い回しが多くありますが、ネットで検索すると出てくるものですね。

今日困ったのは、「gain steam」という単語ですが、「バイオ燃料市場で蒸気を得る?何のこと?」と困りましたが、検索によると、

"gain momentum"とか、"increase in force"と同じような意味だということで、「弾みをつける」ことだとわかりました。

少しずつ上達していくかもしれませんので、へたくそな翻訳にお付き合いください。

参考記事はコチラ

http://www.fastcompany.com/1703394/ge-north-bridge-invest-8-million-in-biofuels

http://news.cnet.com/8301-11128_3-20023064-54.html

投資を受けるCoolPlanet Biofuelsという会社のウェブサイト

http://www.coolplanetbiofuels.com/index.html

ニュージーランドで同種の事業にとりくむCarbonscapeという会社のウェブサイト

http://carbonscape.com/


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GEが先日行ったEcomaginationチャレンジという起業コンテストで優勝したCoolPlanet Biofuelsという会社の立ち上げ資金として、GEは800万ドル(約6億4千万円)の投資を決めた。この会社は、植物の廃棄物や木材チップなどをバイオ燃料にする会社。North Pridge Venture Partnersが支援する。

CoolPlanet Biofuelsはカリフォルニアを拠点にスタートしたばかりの会社で「木材チップや穀物廃棄物から炭化水素燃料を生産する革命的な技術を発展させていく。そのプロセスの副産物としてバイオ炭が製造され、これは燃料としても使え、農業の土壌改良剤としても使うことができる。」

これは完全に独自性のあるアイデアだというわけではない。ニュージーランドで始まったcarbonscapeという会社も農業廃棄物からバイオ燃料を製造し、副産物としてバイオ炭を製造している。

この投資はGEにとっては賢い選択だ。CoolPlanetはバイオ燃料市場の中で弾みをつけていくだろう。世界規模での燃料市場は毎年約4兆ドルで、バイオ燃料市場は現在はそのうちの本の一部に過ぎない。従来の燃料価格が上昇するにつれ、バイオ燃料はますます重要になってくる。そうなれば、GEとCoolPlanethaにとって大きな利益となる。

2010年11月17日水曜日

CNNのサイトでバイオ炭の記事 「 バイオ炭コンロで調理をして、温暖化を防ぐ」

今日のCNNのウェブサイトでバイオ炭の記事が取り上げられていました。

http://edition.cnn.com/2010/TECH/innovation/11/17/green.barbecue.stove/

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バーベキューを愛する人たちへ良い知らせです。バーベキューをすることで、世界を救うことに貢献できるのです。

新世代の小さなバーベキューコンロで調理をすることで、CO2を削減することができる上、庭や畑の肥料にもなるのです。

そのコンロは庭の木を剪定した枝や葉などのバイオマスを燃料とします。「熱分解」と言われる、低酸素または無酸素でバイオマスを加熱するプロセスを通して、炭化してバイオ炭になります。

そのバイオ炭を庭や畑の肥料として使うことで、土壌改善にもなり、CO2を土中に固定することができます。ドイツのBayreuth大学の研究によると、バイオ炭を使うことで、痩せ地での作物の収穫量は2倍ほどになります。

Institute for Governance and Sustainable Developmentの設立者で米国環境法律の教授であるDurwood Zaelkeは、バイオ炭コンロの使用を提案しています。

「これはどんな人にとっても簡単に環境のためにできることです。植物は大気中から光合成を通してCO2を吸収してくれます。それに敬意を払い、感謝しなければなりません。これをバイオ炭にすることで、生態システムの中での炭素の放出を防ぐことができます。バイオ炭は、カーボンネガティブのテクノロジーなのです」

もちろん、バイオ炭ストーブで夏の料理コンテストをやっただけでは、グローバルな視野でみれば、微力なものです。

しかし、WHOによると、世界中では30億人の人々はまだかまどや焚き火で調理をしています。木や藁、動物の糞や石炭、炭などをつかっています。

これらの非効率な燃焼方法は、温暖化を加速させるだけでなく、彼ら自身が呼吸器や心臓の健康に悪影響を及ぼしています。WHOは、伝統的なストーブや火から出る毒性のある煙で毎年200万人もの人がなくなっていると言います。

国際バイオ炭イニチアチブによると、現在、2つのタイプのバイオ炭を製造する調理コンロ

があります。

ひとつは、Top-Lit Updraft Gasifierといわれるもので、シリンダーにバイオマスを詰めて、下から空気を送る物です。バイオマスに火をつけると、炎がシリンダーの蓋代わりになり、バイオマスが炭化していきます。調理が終わることには、バイオマスはバイオ炭になっています。

もうひとつは、アニラタイプストーブと言われるものです。これには2つのシリンダーがついています。内シリンダーは開いて、外シリンダーは閉じています。

たくさんのバイオマスを外シリンダーに詰め、少量を内シリンダーに詰めます。内シリンダーに点火すると、外シリンダーのバイオマスが熱分解をしはじめ、炎がでてきます。

国際バイオ炭イニシアチブによると、両方のタイプのストーブは身近な材料と道具でかんたんにつくることができます。

しかし、まだ大量生産モデルが市場に出ていないため、どれくらい効果的なものなのかあまり知られていない状態です。

Biofuelwatchというキャンペーン団体のAlmuth ErnstingがCNNに

「非効率的で危険な焚き火ではなく、燃焼効率がよく、安全な方法への選択肢を持つことは非常に重要です。しかし、バイオ炭ストーブが普及しているいう話を聞いたことがない。」

と語った。

しかし、調理をした後にバイオ炭ができるというのは可能性がある。

環境保護活動家であるジェイムズラブロックは、農家が農業廃棄物を使ってバイオ炭を工業規模で生産し、土壌に入れることができるようになれば、それはこの壊滅的な気候変動を避ける唯一の希望になる可能性がある。

Proceedings of the National Academy of Sciences誌に掲載された化学ノーベル賞受賞者であるMario Molinaなどの記事では、人類が大気中に放出したCO2は、バイオ炭などの隔離技術を使って取り除かない限り、数世紀も残ると書いている。

もちろん、全ての新しい技術が期待はずれや誇大宣伝である可能性はあるが、現段階では可能性を追求すべく研究が進んでいる。

Ernstingは、バイオ炭の肥料効果については疑問を持っている。「それが肥料になるかどうかは…非常に難しい構造であるし、長期間の実験はまだ行われていない」。

「どのような土壌なのかにもよるかもしれない。まだ誰も「バイオ炭にはこういう効果がある」ということは言っていない。我々がまだ知らないだけなのかもしれない。

(注:この辺、何を言っているのかよくわからなかった。すみません…。ただ、バイオ炭の肥料効果については、よくわからないため、「ホントかよ!?」と思っているようです)

このあたちがよくわからないので、それをアフリカやアジアの農家に推奨してもいいものかどうか心配している」

バイオ炭の肥料効果については、現在は多くの研究が行われている途上だが、バイオ炭コンロでバーベキューをすることは、気候変動を防ぐためのシンプルな方法であることには変わりはない。

地域のお店でこういうストーブが変えるようになることが必用である。とZaelkeは語る。

「これは我々が行動できることのひとつである。簡単だし、その効果は絶大だから」

2010年11月12日金曜日

動画:南インドでのバイオ炭事情

バイオ炭が世界的に注目されることによって、インドの農業にも変化がおきている。

もともと貧困の問題があったこの地域も、さらに追い討ちをかけるように温暖化の影響を受けていて農業にも影響を与えているようだ。

U.N.Ravikumar教授という農業科学者は、穀物を育てるのに向いていない土壌の南インドの農民に土壌にバイオ炭を入れることをアドバイスしている。

動画では、女性たちが乾いた葉っぱなどの農業から出る廃棄物を持ってきて、バイオ炭を製造する準備をしているシーンもあった。

何の設備もなく状態で、大量のバイオ炭を作っているのがすごい。

SCAD(Social Change and Development)という団体では、500以上の村にバイオ炭を紹介し、取り入れているという。

さらに、動画の最後のほうに出てくる円筒状の調理コンロは、多分アニラ・ストーブというやつで、僕が空き缶などで作っていたTLUDストーブの兄弟分のようなストーブ。

SCADでは、このストーブを25,000世帯に普及させると言っている。

動画では、ストーブの後ろから、おがくずを詰めていた。こういうものも燃料として使えることで、薪の使用は半分くらいに抑えることができるうえ、煙もほとんど出ないので、煙により調理をしている女性が健康を害することもない。

チャコールブラックスは、「Paint it charcoal black!(炭黒く塗れ!)」の標語の通り、炭を世界中の土壌にバラまくことで、世界の様々な問題を改善していけると思っていたが、昨日紹介したre:charの25歳の創業者や、この動画の教授やSCADという団体など、すでに一生懸命に活動されている方々がいるということは、やることないかなあ、と思ったけど、動画で紹介されているのは、インドでもまだまだ一部。世界的視点で見たら、ほんの一点。やらなければいけないことはまだまだたくさんある。



2010年11月11日木曜日

エル・ドラードの秘密


フランシスコ・デ・オレリャーナが発見した失われた町、エル・ドラード。

エル・ドラードとは、大航海時代にスペインに伝わっていたアマゾンの奥地にあるという先住民の伝説にある黄金でできた都市。

オレリャーナは、黄金を発見することはなかったが、8ヶ月にもなるアマゾン川流域の探検で、数十万人もの人々が住む巨大な都市を見つけた。

オレリャーナの報告によると、多くの密集した建物が15マイルほども続く美しい町で、そういう大きな町が川の流域にいくつもあった。土壌はスペインで見るような肥沃なものだったという。

しかし、数年後、別の探検隊たちがスペインから派遣されたとき、その町を見つけることができなかった。

現代の人類学者もエル・ドラード伝説をひとつの理由で否定している。土壌がとても痩せてるということ。アマゾン川流域は、土壌の浸食と、痩せた土地ということで悪名高い。多くの人口が密集した文明が起こるには、豊かな収穫ができる農業ができる必要があった。

それから500年の間に、南米ではアンデスの山奥にマチュピチュの遺跡が発見され、インカ文明の存在が明らかになり、中南米ではマヤ文明の遺跡も発見された。しかし中央アマゾンからは、ピラミッドも寺院も出てこなかった。ただ、広大な草原とジャングルだけだった。

アマゾンに住む先住民も、1万年前の石器時代の人類のような暮らしをしている。まるで何も歴史を持っていないかのように。オレリャーナの報告はうそだったのだろうか。


ペンシルバニア大学博物館のクラークエリクソンは、サバンナの草原の中に点在するいくつもの森の孤島。その森の孤島が自然のものではない証拠がたくさんでてきた。陶器や炭、食べ物の残骸、人骨。それは人々がここに住んでいたことをしめしている。

エリクソンの同僚のウィリアム・バレー教授は、先住民の言語の中に、農業をしていたらしい言葉がいくつもあることを見つけた。

さらに、川には洪水を防ぐための土手工事をした形跡もある。それは幅10~15メートル高さ2メートルもあり、現在までもよく維持されている。町と町をつなぐためと思われる道や運河もある。それはスペイン人がこの地へ来る前のものだ。

しかし、それでも巨大な都市が存在していたと証明する決定的な証拠がなかった。

食料。多くの密集した人口を養うためには、巨大な農地が必用であるはずだが、アマゾン川流域の土壌は、激しい日差しや豪雨のため、地球上でも最も農業に適さない土地だった。

決定的な証拠として、彼らがどのように痩せ地のアマゾンで食料を生産していたのかを証明しなければならない。

その証拠が見つかった。テラ・プレタと呼ばれる黒い土だった。

バイオ炭で社会起業

「外国でバイオ炭で社会起業している人はいるのかな?」

と思い、検索して知ったプリンストン大学出身の25歳の青年が立ち上げたre:charという会社。

しかもビジネスウィーク誌が選ぶ2010年のアメリカのベスト起業家の最終選考の25人に入っている。それだけでなく、数々の技術だったりエコだったりをテーマにした起業家としてもいろいろ選ばれている。


ウェブサイトを見ても何をやっているのかよくわからないので、紹介されているニュースなどを見ていくしかなかった。


会社のプロフィールを見つけて読んでみてみると、おもしろいことに活動地域が東アフリカとある。

資料によると…

東アフリカでは、4500万人もの小さな農家が食糧やエネルギーの欠乏や気候変動に苦しんでいる。

彼らは、地球上でももっとも痩せた土地で食べ物を生産することで生活をしている。

安定したエネルギーのない生活は、総収入の40%を違法に伐採されて作られた炭の購入費に当てられる。

さらに追い討ちをかけるように、気候変動のため、栽培は難しくなり、砂漠化も進んでいる。

re:charは東アフリカ諸国で、村単位の低コストで作られるバイオ炭製造の窯を作り、地元の人を雇用する。

バイオ炭は、農業廃棄物から作られた炭で、それは練炭などのように固めることで普通の炭のようにも使うことができる。

さらに、バイオ炭は、農業の土壌に混ぜることで、水の使用を減らし、収穫量が200%近くまで増加するほど土壌を改良する。

それだけではなく、バイオ炭を土壌に入れることにより、人類が排出する二酸化炭素の12%くらいまでを固定することができる。

2010年のテストプログラムでは、$1,000ドル以下のコストで、500の小さな農家の収入を2倍になり、使用する水や肥料は15%減少した。また、150台分のCO2の排出を相殺したと報告している。


興味深いのがプロジェクトのキャッシュフロー。

2010年は200万円ほどの黒字だけど、
2011年には1600万円の赤字。
2012年は3000万円の赤字。
2013年は3000万円の黒字を出し、
2015年には、17億円まで成長するとしている。


これは、2013年から黒字になるのは、このあたりからやっと利益が出るほどの窯の台数を東アフリカ諸国に展開できるからと書いてある。

相殺されるCO2の量も、2013年は前年の4倍くらいになっていて、2015年には、その100倍になっている。

これはどういうことかというと、ここには書いていないけど、現在の京都議定書では、炭によるCO2のオフセットは含まれていないが、それを変更するという動きもある。

この会社は、NASAのゴダート研究所長のジェームズ・ハンセンや、生物科学者のジェイムズ・ラブロックなど、発言力もあり、「地球を救う唯一の方法は、バイオ炭だけである」という人たちが顧問になっている。

2013年以降の数字がウン十倍になっているということは、2013年あたりを境に、炭の炭素も、CO2取引の対象になることが確実ということだろうか。

また、今は全然利益を出していなく、当分は赤字確実の会社が存続しているだけでなく、注目されているのは、グーグルやアマゾンもそうだったけど、将来性がある事業には投資化たちがお金を出し続けているからではと思う。

そう考えると、2013年あたりからは炭やバイオ炭をとりまく環境というのが全く違うものになっていくと思う。

下の動画が、創業者の25歳のプレゼンです。



2010年11月9日火曜日

エル・ドラードの伝説。


征服者フランシスコ・デ・オレリャーナがアマゾン川流域の人里離れたのリオ・ネグロ地方に入ったのは、1542年のことだった。

彼の目的はひとつ。黄金郷(エル・ドラード)を見つけ出すこと。

彼は黄金を発見することはできなかったが、現在ではその失われた都市だと信じられているエル・ドラードと、そしてより価値のあるものを見つけた。

数十万人もの人口を抱える都市同士が結ばれている、巨大な農地の中にあるまっすぐな50マイル以上の土手道。これがオレリャーナがスペイン帰国後に報告した場所。しかし、後に続いた探検家たちは、その伝説の都市を発見することができず、オレリャーナの報告はうその報告だとされた。

現代の人類学者もエル・ドラード伝説をひとつの理由で否定している。土壌がとても痩せてるということ。アマゾン川流域は、土壌の浸食と、痩せた土地ということで悪名高い。つい最近までは、この土地でオレリャーナが報告した都市のような、多くの密集した人口を養うことは不可能だと考えられていた。

しかし、失われた都市には、失われた秘密もある。2002年にデューク大学の科学者たちは、オレリャーナが正しかったことを証明した。そして、その発見は「エル・ドラードの秘密」として、45分のBBCのドキュメンタリーにまとめられた。


バイオ炭と社会起業

アショカ財団の日本法人ができるようなウワサを耳にし、

「社会起業」

という言葉を思い出した。


「そういえば、炭もしくはバイオ炭と社会起業のつながりって?」

と、思い、検索したけど情報ゼロ。

英語で検索したらたくさん出てきた。やっぱり海外と日本の炭事情というのはここでも全く違う。


一番トップに出てきたのは、25歳のre:charという会社を創業したason Aramburuさんという人だった。

http://www.examiner.com/green-technology-in-austin/biochar-entrepreneur-recognized-for-social-impact

以下は、記事の和訳

ちなみに、どんなことをやっている会社かウェブサイトを見てみたけど、長い間更新されてないうえ、シンプルすぎてよくわからない...。新聞記事などを参照してみます。オレもがんばろっと。

http://www.re-char.com/

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バイオ炭起業家の社会的影響
2010年6月11日

オースチンを拠点とする企業re:charの創業者であるJason Aramburuは、Bloomberg ビジネスウィークの「アメリカのベスト社会起業家2010」のファイナリスト25人に選ばれた。ファイナリストは29日には5人に絞られる。200人以上の候補者が、「利益だけでなく、社会的、環境的に価値のある持続可能なビジネスの創造」という基準で選考された。

25歳のre:charのCEOは、サンアントニオで育ち、プリンストン大学を卒業。Aramburuは、バイオ炭の使用が広がっていくことで、発展途上国での食料生産に劇的な影響を与えると述べた。バイオ炭に使用が増大すれば、最大で毎年2ギガトンものCO2を、大気に放出するのを防ぐことができると、Aramburuは信じている。

バイオ炭は、林業や農業の廃棄物などのバイオマス資源から製造される。材料は低酸素状態で加熱することでを熱分解される。熱分解することによって、炭素を固体にし、大気上に放出することを防ぐことができる。バイオ炭は土壌に混ぜ、痩せた農地を豊かな土壌に変える。熱分解の過程で出てくる油を利用して、発電もすることができる。

バイオ炭の可能性については有名な科学者であるNASAのジョージ・ハンセンやジェイムズ・ラブロックのお墨付きもある。両者ともre:charの諮問機関のメンバーになっている。EDCOベンチャーというオースチンを拠点の非営利団体がre:charの発展をサポートしている。

2010年11月7日日曜日

空き缶を使ったウッドガスコンロ式炭焼き窯(TLUDストーブ)作成手順

空き缶をつかったウッドガスコンロ式炭焼き窯(TLUDストーブ)のマニュアルを作ろうと、今日も缶詰を食べたり、冷凍したりしました。

最近、どれだけの量のパイナップルの缶詰を食べただろうか。どれだけの量のトマトの水煮が冷凍庫で凍っているだろうか。

海外の途上国で、しかも砂漠化が進行しているようなところでは、これは葉っぱとか、ココナッツや米の殻や、細かい木の枝などで調理などの生活に必要なエネルギーになり、さらに収穫を増やすためのバイオ炭まで作れるという優れものです。

が、日本ではこれは生活に必要なものではありません。

アウトドアのバーベキューをしたいときは、便利なアウトドアグッズもたくさん販売されています。


それでもマニュアルを作って、このコンロを広めたいのは、現代人が失った火遊びを楽しんで欲しいのと、これで副産物として出てくる炭焼きも楽しんで欲しいからです。

炭は、海を蘇らせ、痩せ地を豊かにし、砂漠の植林の助けにもなり、日本の山でも問題になっているナラ枯れで枯れてしまった木を蘇らせることもできます。

そうすることによって、ナラ枯れが原因のひとつではないかといわれる最近の熊の以上出没を防ぎ、人間にもいいし、熊の命を守ることもできるかもしれません。

また、温暖化により、いよいよ世界中の農作物の収量が減っていき、もっと深刻な食糧危機も予測されていますが、炭を使った農業(炭素農法)には、気候変動にも対応できることも期待されています。

また、炭は植物が本来放出するはずだったCO2を数千年間も固体として固定することになるので、温暖化の原因がCO2である場合(これには大きく科学者の意見が分かれている)、温暖化を防ぐ役割も果たす。

そういうことを、わずかな数の炭焼き職人たちが行ったとしても、炭の量には限界があるし、炭焼きを仕事にする人も、生活がかかっていますので、全部山や海や砂漠に撒いたりするわけにはいきません。

「大きなプラントを作るか、それともわずかな量を生産する人がたくさんいればいいか?」

の問いへの答えは

「その両方」

だと思っています。


マニュアルを見たり、実際に体験した人が、自宅の庭で、煙も出ないので、一杯のコーヒーやインスタントラーメンを炎を眺めながらつくり、その結果できた炭を、自分の庭や畑に使ったり、磯やけ対策、砂漠の植林、ナラ枯れ対策などに使うために集めてもらえたらなと思っています。

ついでに剪定材の処理なども炭になるのでゴミが減り、自分の家の周りもきれいになります。

それでは、最小バージョンのウッドガスコンロ式炭焼き窯作りの手順です。


【材料】

・パイナップルの缶(アウター缶として。普通のトマト缶やコーン缶より少し大きい)
・トマト缶(インナー缶)
・サバの味噌煮もしくは水煮缶(煙突及びナベ置きとして)





【必要な道具】

・ハンマー
・大きめの釘
・ペンチ
・金切りはさみ
・穴あけつきカンオープナー


【手順1】

インナー缶(トマト缶)の底にクギで穴をあける。できるだけたくさんあける。


クギの大きさによって穴の数も変わってくる。

上はかなり太いクギであけた場合。下は、細めのクギなので、穴の数が多めになる。


インナー缶(トマト缶)の輪郭を紙に写す。



切り取り、半分の半分の半分に折る。


これを開くと、円が8等分されているので、ペンでわかりやすいように印を書いておく。


それをインナー缶(トマト缶)にの底に乗せ、外周8箇所にペンで印をつける。


カンオープナーの穴あけ機能のところで、印をつけた場所8箇所に穴を開ける。


インナー缶(トマト缶)の上部は、5mくらいの隙間でできるだけ多く穴をあける。


底部分の穴あけしてひらひらになった部分を、ペンチで押さえて平らにする。


上の方は、空気がまっすぐ上がるように、ひらひらを上向きにし、


丸める


アウター缶(パイナップル缶)の底の真ん中に穴を開ける。

上にサバ缶を乗せてみて、サバ缶よりもちょっと小さめになるように、まわりの8箇所穴を開ける。

真ん中の穴と各穴を金切りはさみで切る。


と、こうなる。


ペンチで上向きにする。


そして、金切りはさみで、上げた部分を切り取る。


と、こうなる。





インナー缶の上に、アウター缶をかぶせる。

インナー缶は、上向き。アウター缶は、下向きに。


すると、このように綺麗にすっぽりと収まる。



【煙突兼五徳】

サバ缶も、円を8等分した紙で外周に印をつけていく。


カンオープナーで底を切り取る。


カンオープナーの穴あけ部分で、上下各8箇所の穴を開け、ペンチで上部のひらひらは上向きにする。下はそのまま。


それを、アウター缶に乗せて完成。

できれば、安定性を増すために、アウター缶の穴と、サバ缶を針金で結びつける。