以下の物語は、最後の章だけがフィクションで、あとは歴史的な事実です。
チャコールブラックスは、この物語に沿って活動していますが、自分で考えた最終章だけが、どうもイマイチです。
今後はこの物語を、紙芝居風のスライドにしてウェブサイトに貼り付けたり、炭のプロモーション活動の一環として演劇orミュージカルorヒーローショーとして各地をまわり、そして漫画や小説にしたいと考えています。
この物語に肉付けをしてキチンとした物語にして、脚本や漫画にすることをボランティアで関わっていただける方を探しています。コンテストみたいにするかもしれません。
目的:
1.物語を通して、アフリカの飢餓や世界の貧困、森林破壊、途上国の教育や子供の労働、気候変動、海の砂漠化、日本の森の問題、現代人の問題?、エネルギー問題、食料問題などについて、子供から大人まで知ってもらう教育的目的。
2.それらの問題について、炭をどう役立てることができるかということを知ってもらう。
入れたい要素:
自分では入れることができませんでしたが、この物語はシンプルだけど深く、そしてちょっとバカな要素を入れたい。
1.チャコールブラックスを正義の戦士としてではなく、悪の力と正義の心を持った存在(仮面ライダーやタイガーマスクのように)もしくは、正義の力(炭の力)に悪の心(不純な動機)を持っていて、世界を黒く暗黒に染めようとしたら、明るくなってしまって、太陽の光を見たら吸血鬼が死ぬように滅びてしまうか、心まで正義になってしまうような。
2.易経とかよくわかっていませんが、「陰極まって陽生ず」であり逆に「陽極まって陰生ず」のように、現代社会は発展してきた影で、様々な問題が生じています。その影の部分と、炭やチャコールブラックスをかけて描き、その影(悪)の力、もしくは心が極まったときに、光を生じていくような。
3.上の目的に書いたとおり、教育的要素。
かなりの難題ですが、このような物語の原型を作ってみたいという奇特な方は、下記のURLから声をかけてみてください。小説でも脚本でも漫画でもCGでもOKです。
http://www.charcoalblacks.org/inquiry.html
チャコールブラックス物語
幻の黄金郷 エル・ドラード
フランシスコ・デ・オレリャーナがアマゾン川流域の人里離れたのリオ・ネグロ地方に入ったのは、1542年のことだった。
彼の目的は黄金郷(エル・ドラード)を見つけ出すこと。
オレリャーナは黄金を発見することはできなかったが、高度な文明を持った巨大な都市を見つけた。
農地に囲まれた数十万人もの人口を抱える都市同士が、まっすぐな50マイル以上の道で結ばれている。オレリャーナはスペイン帰国後にそう報告した。しかし、後に続いた探検家たちは、その伝説の都市を発見することができず、オレリャーナの報告はうその報告だとされた。
現代の人類学者もエル・ドラード伝説を否定している。アマゾン川流域は、土壌の浸食と、痩せた土地ということで悪名高い。この土地でオレリャーナが報告した都市のような、多くの密集した人口を養うことは不可能だと考えられていた。
それから500年の間に、南米ではアンデスの山奥にマチュピチュの遺跡が発見され、インカ文明の存在が明らかになり、中南米ではマヤ文明の遺跡も発見された。しかし中央アマゾンからは、ピラミッドも寺院も出てこなかった。ただ、広大な草原とジャングルがあるだけだった。
先住民たちも、1万年前の石器時代のような暮らしをしている。まるで何も歴史を持っていないかのように。
しかし2002年にデューク大学の科学者たちは、オレリャーナが正しかったことを証明した。そして、その発見は「エル・ドラードの秘密」として、45分のBBCのドキュメンタリーにまとめられた。
草原の中に点在するいくつもの森の孤島。その森の孤島が自然のものではない証拠がたくさんでてきた。陶器や炭、食べ物の残骸、人骨。それは人々がここに住んでいたことをしめしている。
先住民の言語の中に、農業をしていたらしい言葉がいくつもあることも見つかった。
さらに、川には洪水を防ぐための土手工事をした形跡もある。それは幅10~15メートル高さ2メートルもあり、現在までもよく維持されている。町と町をつなぐためと思われる道や運河もある。それはスペイン人がこの地へ来る前のものだ。
しかし、それでも巨大な都市が存在していたと証明する決定的な証拠がなかった。それは食料。多くの密集した人口を養うためには、巨大な農地が必用であるはずだが、アマゾン川流域の土壌は、激しい日差しや豪雨のため、地球上でも最も農業に適さない土地だった。
その証拠が見つかった。テラ・プレタと呼ばれる黒い土だった。
アマゾンに息づく奇跡の黒い土「テラ・プレタ」
オランダの土壌学者であるビム・ソンブルクは、1950年代に、アマゾン川流域で「テラ・プレタ」と呼ばれる黒い土を見つけた。
アマゾンの土地が痩せていて、森林を焼き払って開墾したとしても、1作以上はできず、化学肥料を使っても3作の収穫はできない。強い日差しや豪雨にさらされて、土壌から養分やミネラル分が流出してしまうためだ。
ところが、この黒い土は、そんなアマゾンでも何千年、何百年の古代から全く手入れをすることなく、豊かな収穫ができた。バイロイト大学のグレイザー博士は、テラ・プレタは地球上で最も肥沃な大地のひとつだという。
最貧国の人々に自給の道を切り開く可能性
ソンブルグは、痩せ地を豊かな土地に変える秘密が、テラ・プレタにかくされているのではないかと考えた。そのなぞを解くことで、もともと痩せた土地で、それが貧困の一因となっている土地を豊かな土地にすることで、最貧国の人々が自立できると信じていた。ソンブルグは、その夢の実現を目にすることなく、2003年に死ぬ。
しかし、テラ・プレタは現代に蘇りつつある。その豊かさと回復力のカギを握りのが、炭ということが研究で明らかになった。テラ・プレタは炭の含有量がとても多く、土の黒いのは木炭が入っているからだった。炭素の量が他の土壌よりも40~70倍も多い平均50t/ha も含まれていた。
古代人の炭焼きが作り出した人口土壌
テラ・プレタは様々な集落跡で見つかるため、この土壌は人工的に作り出されたものだとわかった。アマゾンに紀元前4000年も前から、高い技術を持つ文明が存在し、炭を土壌に混ぜて使っていたと考えられている。
2007年。当時ドイツのバイロイト大学のクリストフ・シュタイナー博士は、劣化した熱帯土壌に炭の粉と、木酢液を加えるだけで、微生物が飛躍的に増殖し、肥沃な土壌を生み出すサイクルが始まると報告した。熱帯の試験区では、炭を入れた場合は収量が880%も伸びた。世界中で地力の落ちた土地でも、木炭で強化した土地では、作物の収穫量が200%から300%増加すると予想している。
温暖化を止め、食料危機を回避できる
テラ・プレタは地球温暖化対策にもつながるかもしれないと考えられている。温室効果ガスの人為的な排出量の8分の1は、農業で出る。山林や畑から出る不要な有機物を炭にするだけで、米国が化石燃料により排出される二酸化炭素の約3分の1を相殺できると推定している。
テラ・プレタは温暖化による気候変動に対する抵抗力があると期待されている。熱帯のアマゾンは地球上で最も極端な環境で、地上で最も痩せた土地だからである。
「今後の農業は、極端な気候変動、旱魃、豪雨、高温等の課題に対処しなければならなくなるでしょう。人口増加や砂漠化で農地への負担も高まります。テラ・プレタは、こうした課題を緩和する一助となるでしょう。テラ・プレタは、持続可能な農業のモデルです。砂漠化した土地の農地利用や、炭素固定と地力の維持と増加を通じて、気候変動緩和など、数多くの21世紀の問題を解決できるのです」
オレリャーナは黄金を発見することはできなかった。しかし、黄金よりも価値のあるものを見つけた。エル・ドラードに残るテラ・プレタに使われている炭は、「黒い黄金」と呼ばれ、現代の様々な課題に対して期待されている。
アマゾンに伝わる「黒い戦士」伝説
オレリャーナがエル・ドラードを発見してから約500年後の今、世界はたくさんの課題を抱えている。
経済的な問題だけでなく、温暖化やそれに伴う食料やエネルギーの問題。
日本では山は荒れ、海は枯れ、人は微笑みをなくした。
痩せた土地で食べ物を生産している東アフリカなどでは、4500万人もの人が食料やエネルギーの欠乏、気候変動に苦しんでいる。
また、世界の人口の半数以上が薪を主な燃料にしているため、森林は失われ、温暖化が加速し、煙で毎年200万人もの人々が亡くなっている。
エル・ドラードのあった地域の原住民の伝説では、
「世界が乱れてくると、必ず世界を調和するために『黒の戦士』たちが現れる。」という予言がある。
その予言では、黒の戦士たちが、世界を次々と黒に染めていくと、そこから緑が生まれてくると言われている。
食料が生産できなかった土地では、十分に食べられるほど食料が収穫できるようになり、砂漠は緑になった。
薪のエネルギー使用による森林破壊が深刻な地域では黒の戦士たちは、不要なものから黒い力を作り、その過程でエネルギーまで生み出すかまどを作った。
すると、エネルギーのために薪を必要としなくなり、森林破壊を食い止めるだけでなく、多くの命を救うことができるようになった。
そして、「黒い戦士たちは、『チャコールブラックス』と呼ばれ、それに参加するすべての人に多くの変化をもたらした」と最後は結ばれている。
伝説のとおり、日本の山村にある炭焼きの文化や技術には、日本だけでなく、世界の多くの問題を改善していける力を持っている。
※ この物語には、一部フィクションが含まれています。
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