2013年10月20日日曜日

場の理論と炭

炭を理解してもらい広めようとすると、なかなか理解してもらえないのは、その役割。肥料になる成分が入っているわけでもないし、EM菌のような強烈な、特定の働きをする微生物が入っているわけではない。

チャコールブラックスでは主に竹炭を扱っているので、同じ竹からできているということで、「竹パウダー」の方がいい、という人もいた。

EM菌とか光合成細菌がすごい働きをするということで、微生物のほうがいいという人も多い。

しかし、どれがどれよりもいいというよりも、役割の階層(レイヤー)が違うので、どれがどれよりもいいという話ではないと思う。

下に、自分が理解している範囲の、それぞれの階層の役割をまとめてみた。

fieldtheory

堆肥作りに微生物を入れたりするのは、微生物が有機物をエサに分解し、分解したものを栄養素として植物が取り入れるからだろう。

化学肥料の場合は、直接この「栄養分」のところで作用する。

有機資材とかは、家畜の糞とか、油カス、食品残渣とか、雑草、稲わら、竹パウダーなど。

下記のサイトによると、

【土つくりと肥料(その2)】

http://gomame1818.gozaru.jp/saien/H19_yasai_chie/chie_P2.htm


家畜フンや油カス、食品カスなどの肥料分を多く含んだ材料で作ったもの。特にチッソやカリ分が多く含んでいるので、微生物が活発に活動し、タンパク質などの有機態チッソを、作物が吸収しやすい無機態チッソに変えて根に供給する。

 

それらの有機物を分解して、植物が吸収しやすいようにしてくれるのが、微生物。

「菌ちゃん、菌ちゃん」といって、この部分が大切にされやすい。

しかし、微生物はまわりにエサ(有機物)があっても、食欲がないほど元気なかったり、そもそもその場の微生物が存在していなかったり、快適に住める家がなかったりした場合は、なかなか分解が進まない。

そこで、次から次へと新しい微生物を持ってこようとするが、そのひとつ下の「場」という階層に目を向けてみると、微生物先生たちが仕事してくれる環境ではなかったりする。

 

優秀な社員をたくさん集めてきても、会社自体がそもそも雰囲気が絶望的に悪かったりとか、社内で異臭がしていたりとか、空気が薄かったりとかすれば、仕事どころの話ではないだろう。

 

場づくりをする炭と、分解仕事をする当事者の微生物、そして栄養素になる肥料と同じ階層で話をされると、なかなか伝えられていない自分の伝え下手なところを痛感する。

 

でも、「場の理論」て、こういう微生物の世界の話だけじゃないよねぇと思う。先ほどの会社での話にもあてはまるように、人間は常に場の影響を受けていると思う。

 

「場の理論」というと、どっかで聞いたことのある言葉だと、検索してみて、kotobankによると、

K・レヴィンが提唱した理論で、人間は個人の特性によるだけでなく、その人が置かれた「場」に影響を受けて行動するものだという説で、組織における人間行動を理解するための1つの枠組みとされる。 場の理論によれば、個人の特性を開発するだけでなく、環境の開発を行わなければ、期待行動は現われない、ということがいえる。

このクルト・レヴィンさんの思想を、わかりやすくビジネス的に解説されたものも、出てきた。

【ダイヤモンドオンライン】

クルト・レヴィン チェンジマネジメントとグループダイナミクス

http://diamond.jp/articles/-/1398?page=2

 

また、同じくダイヤモンドオンラインの

野中郁次郎
知識創造

http://diamond.jp/articles/-/7061?page=3

によると、

『知識創造企業』の発表以来、野中は知識創造のプラットフォームとなる「場」の理論を開発した。「場」とは「場所」あるいは「共有される空間」を意味し、物理的なもの(オフィスなど)でも仮想的なもの(電子メールなど)でも知覚的、精神的なもの(共有された経験やアイデア、あるいは組織文化とも拡大解釈できる)でもよい。野中は、知識はその背景となった状況と切り離すことはできず、場に根づいているものであると論じている。

というような紹介もあり、記事の中で詳しく解説されている。

 

蚊がたくさんいるのも、蚊をやっつけても蚊が生まれるような湿地をなんとかしないといくらでも出続けるし、ガンもがん細胞だけやっつけても、ガン細胞が生まれるような体の場があれば、また発ガンしてくるだろう。

「黒の革命記念日」のサイトに、我ながらいいことを書いていた。

黒の革命記念日について

最初の食料革命は、「新石器革命」と呼ばれる人類が農業と牧畜を始め、原始共産性から階級社会へ移行した紀元前10,000年。

2回目の食料革命は、1930年~40年代の「緑の革命」。化石資源から作られた化学肥料の普及による増産。

そして我々は今、バイオ炭を使うことで3回目の食料革命を起こすことのできる、文明の転換期にいる。

ということを、下記のリンクの提案者であるre:charのジェイソン・アランブル氏は言っている。

Grow More Food & Fight Climate Change: Black Revolution

2度の食料革命を通して、人類の食料確保の方法が変わっただけでなく、価値観や社会の仕組みまで大きく変わってきた。

この「黒の革命」を通して、どんな価値観や社会に変化していくのだろうか。

非常に大雑把ですが、なんとなく、U理論とかシステム思考の本を読んでいると出てくる「場の力」的なものを、もっとよく考える世の中になれるのではないかと考えます。

物質文明の真っただ中で生活していると、場の影響やシステムの影響などを考えたり感じたりすることがなく、問題が起こったときに関係や場、システムがどうだったかよりも犯人探しをして余計に問題を大きくしてしまうところもある。

病気などに対しても悪いところを取り除くような考えを、専門家の医師たちはより深いところまで考えているのだろうが、一般人の我々はつい考えてしまう。

炭そのものが肥料になるわけではなく、有機肥料なり、化学肥料、あるいは何もはいらなくて、もともとそこにあったものが、本来の力を発揮できるための場をつくるのが炭の役割だと考えています。

物質文明のまっただ中にいたので、仕事をする当体である肥料や酵素、微生物などを理解することはできても、それらを育む場の力という見えないものを理解するのはなかなか難しい。

もしこの取り組みが将来「黒の革命」と呼ばれることになったら、こういう視点で物事をみることで、今まで見えなかったいろいろなものが見えてきて、価値観の変革にもつながる、という炭だから影の役割のひとつになればと考えます。

 

今、世界中の炭焼きの仲間たちが、「黒の革命」を目指して、炭を使った持続可能な農業を目指している。

でも、その意味はやはり「場」の働きを理解できないと、進められないと思う。

黒の革命の本当の意味は、ものの考え方や見方の革命につながると思う。そういう認識を忘れずに、自分自身も学び、人に伝えていきたいと思う。

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