「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付 駒崎弘樹 英治出版 2010-12-17 売り上げランキング : 422 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
昨日アマゾンから届いたNPOフローレンス代表理事の駒崎弘樹さんの「『社会を変える』お金の使い方--投票としての寄付 投資としての寄付」を今日読ませていただきました。
副題である「投票としての寄付 投資としての寄付」が、読む前はいまいちピンとこなかったのですが、読んで納得しました。
どういう意味かというのは、今の自分の解釈で説明するのを控えたいので本を手にとって読んで欲しいですが、しっかりとした活動をしていくことで、自分の口からも語れることができるようになりたいと思います。
寄付についての本を読むのは2冊目。最初に読んだのは、コチラ。
ファンドレイジングが社会を変える | |
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両方ともとても為になる本でした。共通しているところは、寄付というのは、施しではなく社会を変える手段。
寄付を通して事業を行うことによって、目的を実現させていくのはもちろんのこと、寄付を集めるという行為によって、いろいろな人に問題の存在を知ってもらい、解決策を訴えること。
非営利団体の行う事業というのは、もしかしたら、手放せない薬のようなものかもしれない。
薬がなくなったら、また元通り問題が存在する現実が残るような。
それを、寄付を始めとするファンドレイジング(資金調達)を、「社会を変える手段」と認識して活動することによって、多くの人が知り、よく言われているように、1人の100歩より、100人の1歩みたいなことになって、はじめて問題が根本から解決し、非営利団体が事業を行う必要がなくなるのかも。と思った。
これもよく言われることだけど、非営利団体のミッションは、「自分たちの存在がいらなくなること」。そう考えると、ファンドレイジングは、事業を継続するためだけではなく、最重要な活動なんだろうなと思った。
読んでいるときに、ドラッカーの「非営利組織の経営」という本からの引用があったので、気になって図書館に借りにいった。
残念ながら貸し出し中だったけど、代わりに同じ系統の本を見つけた。「社会貢献で、メシを食う ~だから、僕らはプロフェッショナルをめざす~」という本。
3冊読んでみて感じたのは、時代は変わりかけていて、あんまり気づいていなかったこと。
僕が知っている時代というのは、NPOは仲良しサークルの延長のようなものだった時代。事業を行って収益を上げているところはわずかで、事業型NPOを目指す議論も僕のイメージ的なものかもしれないけど、
「寄付に頼るなんてダメだ。事業で収益をあげていかなければ」
と、事業がうまくいけば、寄付には頼らないような意見だったような気がする。この意見も、今考えると、なんだか寄付を施しをお願いするような行為だという前提があるよう。
でも、3冊を読んでみて学んだのは、寄付を含めた全てのファンドレイジング活動の組み合わせで、目標を実現していくこと。
もともと、非営利団体が行う事業は、誰も手を出さないような問題の解決を目指しているので、事業の対象者(商売で言うところのお客)は、お金をあまり持っていない人だったり、環境だったりと、事業に対して、直接的に対価をいただくのが難しい場合がほとんどなので、事業収入だけで継続していくのはもともとかなりハードルが高い。
そこは寄付でまかなわなければいけないし、寄付を集めるにしてもマーケティング活動をしなければならないので、「社会貢献という商品を売る」ようなもんだと、3冊のどれかに書いてあった。
チャコールブラックスの活動は、僕自身が昔のままのNPOのイメージを持っていたので、「寄付をもらうようなボランティア団体 VS 事業で収益を上げていく組織」みたいな、二者択一的な考えにとらわれていた。
「炭を焼いて売ることで、活動資金を作り、海や開発途上国で炭を使った問題解決の事業を行う」
と当初は考えていた。
でも、そもそも、炭焼きを含めた日本の林業事体が商売にならなく衰退していったことで、荒れてしまったことを何とかするための事業なので、最初からバンバン収益を上げて、海や開発途上国で活動する資金を作ることは難しい。
日本の山の問題が解決してから、海や開発途上国に...というのでは、一体いつになってしまうんだろう...
ということを考え、「ファンドレイジングが社会を変える」を読んでいたこともあって、方向転換していましたが、今日、この2冊を読んでその方針で正しかったと思いました。
この3冊の本とドラッカーの本とかで勉強しながら、自分の石頭をカチ割って成長していきたいと思います。
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