久しぶりにTEDのアプリを開き、いくつかの興味深そうなタイトルのプレゼンを見てみました。
チャコールブラックスは世界の食料問題の改善や、これからの未来を生きる子供たちやそのまた子供たちがおいしいものをみんなで食べていけるような世の中を、炭という視点から実現していくことを目指しています。
しかし方法は他にもたくさんあります。問題はいろんな要素が複雑にからみあっているので、ひとつだけ分解して解決しても大きな変化は起こせず、世界中でいろんな挑戦をしている会ったこともないひとたちと一緒にラグビーをしているようなものです。
ラグビーにはそれぞれポジションがあり、同じスポーツをして同じチームで同じ目的のなか、やっていることはポジションによってかなり違いがあります。その違いは野球やサッカーなどよりもかなり際立ったもので、ある選手にとっては格闘技に近く、ある選手にとってはサッカーに近く、ある選手にとっては陸上に近いような感じです。
そんなようにして、TEDを通して、別のポジションの方々の思いや行動を知ることができました。そしてそれがあまりにも興味深かったです。
【アラン・セイボリー:砂漠を緑化させる方法】
通常、草原の砂漠化などは、放牧のしすぎが原因だとされています。最近は環境への負荷が大きく、健康にも良くないとか言われ、肉食とかも多くなってきています。
しかし、アラン・セイボリー氏によると、放牧をやめたら、よけい早く砂漠化が進み、それはただの一例ではなく、いろいろな地域で共通しているといいます。
砂漠化の本当の原因は、放牧しないことで動物の集団がいなくなり、自然の循環がなくなったからだといいます。
しかし土壌や植生を保つのは莫大な数の草食動物、そしてそれを捕食する肉食動物。肉食動物から身を守るために群れをつくり、群れが大きければ大きいほど安全です。
そして自分たちの食べ物の上に排泄するため、常に移動しなければならない。その移動のおかげで、草を食べつくすことはない。
放牧をすることで、動物がその草を踏んで地面に倒して土にもぐし、その上、フンを撒き散らしていくので、それで発酵が進み、草を分解し、堆肥になり翌年にはまた新たな草が生えてくるようです。
今までの常識と全く逆のことです。そこで、砂漠化をとめる唯一のほうほうとして提案しているのが自然をまねて、莫大な数の草食動物を群れにして遊牧すること、その他に人類には方法がないといいます。
もうひとつ見た動画も食料問題についての話で、これも解決策として家畜を使うことを提案していました。
悪者扱いされることが多くなってきた畜産。しかし人類がずっと前に始めた畜産や肉食がただ一方的に悪いだけではないし、何かひとつ悪者の汚名をきせて退治してももんだは解決しないということでしょうか。
【トリスラム・スチュアート:世界の食糧ムダ捨て事情】
http://www.ted.com/talks/lang/ja/tristram_stuart_the_global_food_waste_scandal.html
彼の話によると、まず食料を廃棄しない意識をもつことから変化が始まる。
そしてそれでもある程度の食料廃棄は避けられない。しかし人類は6000年も前からその答えを知っていたといいます。
豚を飼って、食料のムダを再利用できればいい。
肉食は本来人間が食べられて飢えている人たちに分かち合える穀物を、先進国のぜいたくのために牛や豚のエサにされているとよく言われて、結構悪者扱いされます。
輸入した飼料とか、飼料にするために子供とかが「残しても豚さんが食ってくれるからいい」というような感じで食べ物を捨ててしまうようではモトも子もありませんが、田舎とかで牛や鳥かっている人は雑草を一生懸命刈って食わせて、フンを堆肥化して畑とかにくれているので少しの無駄もない。
本来、畜産はそういうサイクルの中にあったんでしょうね。
最後のメッセージが刺さる。
「まずすべきことは食べ物を捨てるのではなく食べる。そして楽しむこと。」
まあ、全然上手く説明できないので、見てください。
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