詳しい理論は後で書きますが、人間などの動物が生きるために、鉄分がひつようなように、植物が光合成を行うためにも鉄が必要です。
山の森が豊かだった頃は、山の中の鉄分をが溶けて、海や川に流れ出ていたために海も川にも植物プランクトン、海藻、魚などの生物がたくさんいました。
現在では、海岸がコンクリートで覆われるようになり、山の水が流れ込むところが川以外になくなり、その川に流れる水自体が、森林の荒廃のために鉄分が少なくなっています。
そのため、川の生物がいなくなっただけでなく、海にも植物や生物がいなくなるという「海の砂漠化」が起きていて、地球上の酸素の約半分を担っている海の植物が危機にあるので、地球温暖化も加速していくのです。
炭と鉄は非常に相性がよく、理科の実験で炭とアルミホイルで炭電池を作ったりするように、電流が流れます。
電位の高い炭素(C)から、低い鉄(Fe)の方に電流が流れ、電位の低い方の鉄が溶けるので、鉄がイオン化し、植物プランクトンや海藻が吸収することができ、増殖するのです。
炭と鉄をつかった海や川の浄化作戦は、いろいろなところで行われていて、僕もどうしてもやりたかったのです。
まずは、92ちゃんの家の水槽で実験しました。
92ちゃんは、子どもと田んぼの用水にザリガニや小魚をとりにいったときに、生物が自分の子どもの頃に比べると少ないだけでなく、生えていた水草がまったくないことに気づきました。
その田んぼからとってきた小さい魚と小さいザリガニが入っている水槽の水を浄化しようと、炭を入れ始めました。
炭と鉄の相性は最高という話をしていたので、サビたクギと炭をバンセンで縛りました。
バンセンの束です。
こんな感じになります。
よく見えませんが、水槽の中に落とすと、見る見るバンセンの色が変わってきます。
サビていた茶色っぽい状態から、炭のような真っ黒な色に変化していきました。
ほんの数10分です。
水の色も変化していって、少しずつにごった感じがしてきました。
水を浄化するために炭を入れたのに、これでは逆効果ではないか!?と心配しました。
しかし、読んだ本の実験の通り、これは鉄がイオン化してきて、植物プランクトンが発生しているのだと思いました。
翌朝、早朝4時半に山梨へ出発する前に、水槽を見たら、濁りはかなり濃くなっていて、ますます不安になりました。
しかし、水がにごるのは植物プランクトンが増えているからだという頭もありました。
そして今日、92ちゃんが見せてくれたのがコチラ。
鉄のバンセンは、水の中で完全に腐ってまっ茶色になりました。
普通、水の中に鉄を入れただけじゃこんなにならないといいます。
さらにビックリするのが水槽の中の小魚たち。
ちょうど1週間前に見たときは、白っぽい色をしていましたが、かなり黒々していました。
が、元気です。
1週間前はほとんど色素がないような感じでしたが、今日見たのは、スーパーの魚屋に売っているような肌の色でした。
大人の魚になったのか。ザリガニも脱皮したようです。
この実験は、水槽の水が水槽が見えなくなるほど濁って真っ黒になってしまったため終わりました。
今日は92が「水草がなくなった」と言っていた、北小学校の裏のドブ川の用排水路です。
用水の残りと、排水が流れ込んでくるため、ゴミだらけで生物は全くいません。こんなところに足をつけるのも嫌です。
さあ、このドブ川に水草や生物は帰ってくるのか。
ホームセンターで買ったジャガイモを入れたりするようなネットに炭を入れます。
そして、鉄であるクギやバンセンをいれ、拾った鉄くずなどもいれ、重しとして石も入れます。
それを流れないように紐で結んで、ドブ川へ投入。
水の流れに影響を与えないように、なるべく端っこに。
V
完成。
初めてにしては、ビューティフルに出来た感じがします。
汚水が流れ続けるということは変わらないので、我々生活者は自分達が流す水のことをより深く考えていかない限り本当の浄化はないと思いますが、それでも今できることのひとつとしてやっています。
こういった取り組みで、全国の多くの地域で本当に川や海が浄化され、植物が帰ってきているので、新潟中の海岸や川で取り組みたい。
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