シンガポールへ行ってすぐに、同期のベトナム人たちが次々とクビになり、次は自分かと毎日恐れていたそうですが、クビになることはなく4年間安定して働いていたそうです。毎日残業させてくださいとお願いして、夜勤日勤問わず仕事をして、自分でお金は使わずにほとんどすべてをベトナムへ送っていたそうです。
そしてそのお金で、妹が日本へ技能実習生として行くことになりました。手数料は17000ドル。当時のレートでいくらかわかりませんが、今のレートでも190万円近く。送り出し機関が徴収したその金はどこへ消えたのでしょう。
組合へのキックバック、高級レストランでの接待費、カラオケで女性といちゃいちゃする費用、その女性をホテルの部屋に連れ込む費用、その他日本やベトナム側のブローカーでしょう。あとは送り出し機関のスタッフのボーナスとか、送り出し機関自体の稼ぎとして。
妻が苦労して稼いだ金をそんな風に使われたと考えると、絶対許さん!という気持ちになります。190万円近く払って、日本へ行った妹も最低賃金での実習だったので、いくら頑張っても元を取り返すのは難しいですが、妹も残業たくさんしてなんとか実家に仕送りができていたようです。
送り出し機関の社長やスタッフの中にも150万とか払って日本に行って苦労してきた人たちがたくさんいます。その中で自分が稼げる立場になったことで、実習生に新たに多額の借金を抱えさせて私腹を肥やすことが当然と感じている人が多くいます。
しかし少数だとは思うのですが、中には自分がされたことや、体験したことを他の人たちにさせたくないと考えている人達もいます。前の会社の同僚にも1人いましたが、実習生たちのことを親身に思って日本へ厳しくかつ優しく接しようとしているのに、社長や他のスタッフたちが手荒に扱っても大丈夫な商品、たとえば資源ゴミだとか、家畜同然に見えるのか、そのような扱いをしていたために、結構傷ついていました。私と同じ時期に退職しましたが。
転職先の会社も珍しく社長がそのタイプのように感じていて、前の会社にいたときは、「ここは他の送り出し機関よりもまともなほうだ」と思い込もうとしていたのか、信じようとしていたのですが、移ってみて、社長が親身になって実習生たちと話していたり、新しいセンターに移る手伝いをしたことに実習生たちにお礼を言っていたり、作業中の実習生たちのためにエアコンや扇風機をつけてやったりとするのを見て、前の会社とだいぶ違うなあと感じました。全貌はわからないことが多いですが、「いいひと」であることは間違いなさそうです。男にできるように私も営業としてがんばります。
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