2010年11月11日木曜日

エル・ドラードの秘密


フランシスコ・デ・オレリャーナが発見した失われた町、エル・ドラード。

エル・ドラードとは、大航海時代にスペインに伝わっていたアマゾンの奥地にあるという先住民の伝説にある黄金でできた都市。

オレリャーナは、黄金を発見することはなかったが、8ヶ月にもなるアマゾン川流域の探検で、数十万人もの人々が住む巨大な都市を見つけた。

オレリャーナの報告によると、多くの密集した建物が15マイルほども続く美しい町で、そういう大きな町が川の流域にいくつもあった。土壌はスペインで見るような肥沃なものだったという。

しかし、数年後、別の探検隊たちがスペインから派遣されたとき、その町を見つけることができなかった。

現代の人類学者もエル・ドラード伝説をひとつの理由で否定している。土壌がとても痩せてるということ。アマゾン川流域は、土壌の浸食と、痩せた土地ということで悪名高い。多くの人口が密集した文明が起こるには、豊かな収穫ができる農業ができる必要があった。

それから500年の間に、南米ではアンデスの山奥にマチュピチュの遺跡が発見され、インカ文明の存在が明らかになり、中南米ではマヤ文明の遺跡も発見された。しかし中央アマゾンからは、ピラミッドも寺院も出てこなかった。ただ、広大な草原とジャングルだけだった。

アマゾンに住む先住民も、1万年前の石器時代の人類のような暮らしをしている。まるで何も歴史を持っていないかのように。オレリャーナの報告はうそだったのだろうか。


ペンシルバニア大学博物館のクラークエリクソンは、サバンナの草原の中に点在するいくつもの森の孤島。その森の孤島が自然のものではない証拠がたくさんでてきた。陶器や炭、食べ物の残骸、人骨。それは人々がここに住んでいたことをしめしている。

エリクソンの同僚のウィリアム・バレー教授は、先住民の言語の中に、農業をしていたらしい言葉がいくつもあることを見つけた。

さらに、川には洪水を防ぐための土手工事をした形跡もある。それは幅10~15メートル高さ2メートルもあり、現在までもよく維持されている。町と町をつなぐためと思われる道や運河もある。それはスペイン人がこの地へ来る前のものだ。

しかし、それでも巨大な都市が存在していたと証明する決定的な証拠がなかった。

食料。多くの密集した人口を養うためには、巨大な農地が必用であるはずだが、アマゾン川流域の土壌は、激しい日差しや豪雨のため、地球上でも最も農業に適さない土地だった。

決定的な証拠として、彼らがどのように痩せ地のアマゾンで食料を生産していたのかを証明しなければならない。

その証拠が見つかった。テラ・プレタと呼ばれる黒い土だった。

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