「外国でバイオ炭で社会起業している人はいるのかな?」
と思い、検索して知ったプリンストン大学出身の25歳の青年が立ち上げたre:charという会社。
しかもビジネスウィーク誌が選ぶ2010年のアメリカのベスト起業家の最終選考の25人に入っている。それだけでなく、数々の技術だったりエコだったりをテーマにした起業家としてもいろいろ選ばれている。
ウェブサイトを見ても何をやっているのかよくわからないので、紹介されているニュースなどを見ていくしかなかった。
会社のプロフィールを見つけて読んでみてみると、おもしろいことに活動地域が東アフリカとある。
資料によると…
東アフリカでは、4500万人もの小さな農家が食糧やエネルギーの欠乏や気候変動に苦しんでいる。
彼らは、地球上でももっとも痩せた土地で食べ物を生産することで生活をしている。
安定したエネルギーのない生活は、総収入の40%を違法に伐採されて作られた炭の購入費に当てられる。
さらに追い討ちをかけるように、気候変動のため、栽培は難しくなり、砂漠化も進んでいる。
re:charは東アフリカ諸国で、村単位の低コストで作られるバイオ炭製造の窯を作り、地元の人を雇用する。
バイオ炭は、農業廃棄物から作られた炭で、それは練炭などのように固めることで普通の炭のようにも使うことができる。
さらに、バイオ炭は、農業の土壌に混ぜることで、水の使用を減らし、収穫量が200%近くまで増加するほど土壌を改良する。
それだけではなく、バイオ炭を土壌に入れることにより、人類が排出する二酸化炭素の12%くらいまでを固定することができる。
2010年のテストプログラムでは、$1,000ドル以下のコストで、500の小さな農家の収入を2倍になり、使用する水や肥料は15%減少した。また、150台分のCO2の排出を相殺したと報告している。
興味深いのがプロジェクトのキャッシュフロー。
2010年は200万円ほどの黒字だけど、
2011年には1600万円の赤字。
2012年は3000万円の赤字。
2013年は3000万円の黒字を出し、
2015年には、17億円まで成長するとしている。
これは、2013年から黒字になるのは、このあたりからやっと利益が出るほどの窯の台数を東アフリカ諸国に展開できるからと書いてある。
相殺されるCO2の量も、2013年は前年の4倍くらいになっていて、2015年には、その100倍になっている。
これはどういうことかというと、ここには書いていないけど、現在の京都議定書では、炭によるCO2のオフセットは含まれていないが、それを変更するという動きもある。
この会社は、NASAのゴダート研究所長のジェームズ・ハンセンや、生物科学者のジェイムズ・ラブロックなど、発言力もあり、「地球を救う唯一の方法は、バイオ炭だけである」という人たちが顧問になっている。
2013年以降の数字がウン十倍になっているということは、2013年あたりを境に、炭の炭素も、CO2取引の対象になることが確実ということだろうか。
また、今は全然利益を出していなく、当分は赤字確実の会社が存続しているだけでなく、注目されているのは、グーグルやアマゾンもそうだったけど、将来性がある事業には投資化たちがお金を出し続けているからではと思う。
そう考えると、2013年あたりからは炭やバイオ炭をとりまく環境というのが全く違うものになっていくと思う。
下の動画が、創業者の25歳のプレゼンです。
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