博士によると、今世紀中に地球の温度が2度上昇すれば、地球の人口は6分の1になるという。
しかし、我々自身が生き延びる唯一の方法として、博士は次のように言っている。
There is one way we could save ourselves and that is through the massive burial of charcoal.
我々を救う唯一の方法は、炭を大量に土に埋めることだ。
この引用は、ニューサイエンティストという科学雑誌の2009年1月24日版のインタビューだということが書いてあったので、検索し、全文を読むことができた。
博士によると、農業から出る廃棄物には、植物が夏に吸収した炭素が含まれ、放っておくと二酸化炭素として放出されてしまう。これを土中で分解しない炭に変えて、土に埋めることで、地球のシステムの中からまとまった量の炭素を抜き取ることができるという。
インタビューで「そんなことで効果はあるのか?」という問いに、
地球上の生物圏は毎年、550ギガトンの炭素を放出する。我々人間が放出するのは、わずか30ギガトンにすぎない。
植物によって固定された炭素の99%は、バクテリアやセンチュウ、昆虫などによって1年ほどで大気中に排出されてしまう。
我々にできることは、農業廃棄物を低酸素状態で燃やし、炭に変えて、畑の中に入れることだ。
少量のCO2は出るが、ほとんどは炭素の塊である炭となる。
また、この炭化プロセスの副産物としてバイオ燃料が作られるから、農民はこれを販売して利益を得られる。
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そして、本の中には、テラ・プレタというアマゾンの黒い土についての話が何度も出てきた。
アマゾンはもともと、土壌が痩せている。
ナショナルジオグラフィックマガジンの2008年9月号の特集「地球の悲鳴食を支える土壌を救え」の記事によると、
アマゾンでは、「森林を開墾すれば、強い日差しと豪雨で養分がたちまち失われ、あとには不毛な大地が残る。熱帯では大規模農業はできないと言われてきた。 」
しかし、そのアマゾンで、テラ・プレタと呼ばれる黒い土は豊かな収穫が期待できる土で、何百年も強烈な日差しと豪雨にさらわれながらも、その養分を少しも失っていないと研究者たちは報告する。
研究者たちは、テラ・プレタの畑を作り、毎年様々な種類の作物を作った。毎年作物を上、土を日差しと雨にさらすことは、アマゾンでは絶対にしてはいけないことだが、テラ・プレタの畑はそれでも持ちこたえ、その回復力に研究者たちは驚いたという。
テラ・プレタは集落跡でしか見つかっていないため、自然のものではなく、人の手で作られている。
http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=7441696079861852070
多くの研究者たちが、テラ・プレタを研究し、この土を現代に蘇らせる研究をしていた。
2007年の3月に、当時ドイツのバイロイト大学のクリストフ・シュタイナー率いるチームの報告によると、。その回復力のカギを握るのは、植物やごみを低温で燃やしてつくる炭だという。
「熱帯によく見られるやせた土に、炭の粉と木酢液(炭焼きで出る煙を冷やしてつくる液体)を混ぜるだけで、土の中の微生物が飛躍的に増加し、肥沃な土壌を生むサイクルが始まる。熱帯の土は、農業に利用されると、微生物の数が急速に減る。だが、炭が混ぜてあれば、養分が炭に吸着して雨に流されにくくなることもあって、微生物の減少を抑えられるようだ。 」
なかなか要約は難しいので、詳しく知りたい方は、下記のナショナル・ジオグラフィックマガジンの記事を読んでください。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0809/feature05/_06.shtml
ある学校で炭の話をさせてもらう機会をいただけるかもしれないので、その機会や、いろいろとお話ができる機会を作って伝えていけるようにしたい。
この本を読むまで、かなり狭い視野で炭のことを見ていて、世界中に炭の能力を広めていくには時間がかかると思っていたけど、ジェームス・ラブロックさんのお墨付きでもあり、世界中の多くの科学者たちの研究の対象となっていることはうれしい。
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