日に日に緑が濃くなっていく。
写真でみると、まことに気持ちのいい森の中という感じだけど、実際は歩くと笹の茎のとがったやつを踏んでしまったり、栗のトゲが手に刺さったり、草で周囲が見えにくくなったりと、「ジャングル化」を心配している。
先週焼いた炭を今日出してもよかったけど、火が消えきっていないのを恐れ、念のためもう一日おくことにする。
その代わりに今日は畑作りに精を出した。キツかった...
炭が農業に使う効果を実験するための、実験農場を作るためなので数時間クワを振り続けた。暑かった。
炭焼き小屋の周りの、平らそうな土地の周りの草を買った。
最近はナタの使い方が上手くなってきたようで、師匠の藤田さんが、直径数センチの木まで、「スパン、スパン」とゴボウのように切っていくとまではいかないけど、草だけでなく、木もナタで一発で切れるようになってきた。
コツは、対象物に対して、斜めに刃を入れること。そして、刺身を切るように刃全体を使うこと。
多分、日本刀の使い方にも通じるところがあるんじゃないかと思った。
ナタですらこんな切れ味なのだから、日本刀とはどれだけ切れるのか恐ろしくなる。
近くのホームセンターで適当に苗を買ってきた。
パプリカ、とうがらし、トマト、きゅうり、だったと思う。
もはやどの苗がどの植物かは覚えていない。
野菜を育てたことはまるでない。炭は耕すときに、一緒に耕したけど、多ければ多いほどいいのでは、と思って、苗を植えるときに粉炭も一緒に入れた。
確か、植林で炭を使うときもこうやっていたとどこかの写真で見たことがある。
実験農園はこんな感じ。
小動物に食べられてしまわないように、竹酢の原液を回りにまいておく。
そして、植物にもいいらしいので、数百倍に薄めて竹酢を苗にかけておく。
次に、チャコールブラックスのメイン事業のひとつである「海の植林」の実験準備。
材料は新野さんのところから買ったものを使う。
鉄と竹炭と土が整数比で入っている。
これをバケツの中で水でこねる。
こんな感じにダンゴ状にして乾かしておく。
そして、次に炭を焼くときに一緒に焼くと、海の中に入れても分離しないレンガ状になる。
午後からは、師匠の藤田さんのところへ白炭を焼くための準備の教えを請いに行く。
前から藤田さんは、「炭ストーブが欲しい」ということを言っていた。「昔はあってみてぇんだんが」と、藤田さんも実物はみたことがないようだったけど、たまたま行った寺泊の骨董品屋で見つけたらしい。
炭火はかなり火力がつよいので、作りはかなり頑丈になっている。
炭が薪やペレットと比べて燃料として優れている点は、
1.火力が強い。
2.じわじわとゆっくり燃えるので火持ちが良い。
3.木材から燃料として不要な部分を削ぎとったのが炭なので、重さや量が1/8くらいで済むので、輸送や保管に便利。
4.煙がほとんど出ない。
欠点としては、炎が出ないので、炎がゆらゆらと揺れるのを見たい人には向かない。
薪ストーブに炭を一緒にくべると、火が長持ちするらしい。
藤田さんは、このストーブを何回か実験してみて、半分くらい燃料をつめたら、半日くらい火がもって、複写熱でかなり暖かくなったという。
炭は火鉢で燃やすことが多いが、火鉢だと、炭火だけしか熱源がない。
それを、このようにストーブの中に入れて燃やすことで、ストーブの本体の金属から煙突までが全部熱くなり、輻射熱で部屋全体や家全体が暖かくなるという。
その原理は薪ストーブも同様で、薪だけ燃やしてもたいして暖かくならないけど、ストーブの中で燃やすことで、熱を効率よく伝えることができる。
炭ストーブのいい点は、煙も出ないし、煙突もかなりの高温になるため、薪ストーブで悩みの種の煙突の掃除が不要なこと。
その後、炭焼き小屋につれていってもらい、白炭を焼くために必要な道具のレクチャーを受ける。
道具は売っていないので、自作するしかない。
今は、料理でも何でもできたものが売られている時代なので、自分の手で何かを作る、というのが実感として感じられにくい。
味噌汁でもインスタントがある。味噌汁は多くの人は自分で作れると思う。
でも、どれだけの人が、カレーを、市販のルー無しで作れるだろうか。おれは作れるけど。
どれだけの人が、デミグラスソースを自分で野菜や肉などの材料から何日もかけて作れるだろうか。俺は作れない。
どれだけの人が、ラーメンのスープをダシから自分で作ることができるだろうか。俺は作れない。
オレにとって、道具を自作するというのは、デミグラスソースやラーメンスープを素材から作るのに感覚は似ている。
いや、料理なら少しは心得があるのでなんとかできるだろうけど、今回は実際にやってみないと検討もつかない。
ちなみに、上の写真は、真っ赤に熱した炭を窯から引っ張りだすための道具。長さ3mくらいの鉄棒の先がL字型に曲がっている。
炭で熱して曲げようと思うけど、そんな簡単に曲がるだろうか。火傷しないだろうか。
そしてこれが、材料を窯の中に入れるための道具。先っぽのY字に材料を引っ掛けて窯の中に入れる。
白炭だと、材料を入れるときもすでに窯の温度は、マグロの頭が一瞬で調理されるほど熱くなっているので、中に入ったり、手で入れたりするのは不可能。木の棒でも焼けてしまうので、金属のものが必要。
これを作るためには、溶接が必要。溶接って、どこでしてもらえるんだろう...
このように、取っ手の部分も山から木を切ってきて自分で作る。
そんなことを自分がやることになるとは夢にも思ったことはなかった。
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